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Kiss Again and Again
第15章 クリスマス後

 その時 突然気がついた。 

 樹さんは 今日 一度しか笑っていない。 ティファニーのランプ。 あの時 笑っただけで それまでに何度か 始まりそうだった笑顔が 消えてゆくのを見た。
 たくましい腕の中から 樹さんを見上げた。

 一枚のレコードを何度も繰り返し聞いていると 朗らかに愛を歌い上げていると思った女性歌手は 実は 絶望しかけているのに それでも愛を信じようと訴えていた。

 「なぁに?」
 寛いで 間延びしたような声になり 樹さんは わたしの凝視に応えた。
 「泣かないで」 なぜ そんなことを言ったのか。
 息を吐き出しながら 微かに笑い
 「泣いてないよ」

 樹さんの頬に手をあてがう。 少し髭がのびかけているのに 今 気がつく。
 「悲しまないで」
 柔らかくキスしたあとで
 「悲しいわけじゃあないけど。 いやになるよ。 どうしてこんなに好きなんだろうって」

 お返しのキスをした。 わたしも 好きすぎて いやになる。 どうすればいいのかわからなくて いやになる。

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