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Kiss Again and Again
第16章 最後の扉

 廊下に出てみると 樹さんは 上着を着て ネクタイまで締めていた。
 遠目に見ても お父さんによく似ている。 とても美しい立ち姿。

 華やかな 大好きな笑顔に向かって 歩いた。

 「よかった。 とても似合っている。 7号を5号サイズに直してもらったんだ。 大丈夫みたいだね」
 「ありがとうございます。 とても とても うれしいです。 じゅんの結婚式にも 着させていただきます」

 初めてみる樹さんのスーツ姿は ふるいつきたくなるくらい素敵だ。 特別な日にしてくれようとしている。
 こんな派手なドレスが似合っているとは思えないけど そんなことはどうでもいいくらい幸せだった。


 「よかったら 一度だけ 抱きしめてください」
 大きな身体に包み込まれた。 泣き出しそうなくらい幸せだった。

 「どうして こんなに幸せにしてくれるの?」

 あなたは 魔法使い?

 「言いたいことは同じだよ。 どうして これほど幸せにしてくれるの?」


 ピアノの生演奏が流れる中 煌く夜景に囲まれて わたしたちは 幸せを撒き散らしながら 時間をかけて食事をした。
 ワインリストを広げて ソムリエとフランス語で相談している 少し捻じった首元に 糊のきいた白襟。 セクシィな咽喉仏。
 フランス語が堪能な樹さん。 またひとつ 知っていることが増える。

 樹さんは 惜しみなく笑顔を投げつけてくれる。
 わたしは 時折 やけどのある美しい手に自分の手を重ねた。 まるで許しを乞うように。

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