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第18章 再　会

　 焦点の合った　わたしを見つめる目は　車のハンドルにうっぷして　わたしからのジャッジを待ち受けていたのと同じに　哀願しているかのよう。


　ホテルで過ごしたクリスマスの夜の　海のサディスティックな様子を思い出す。
　あからさまな悲しみを見せたことに　苛立っていたのだろうか。　
　あの時のわたしは　手に入らない「特別な女」という場所を求める自分と　求められていない自分を嘆いていた。　海の愛情の薄っぺらさに　気がつかないフリをするのに　疲れていた。
　邪険に扱われていることを知りながら　尚も海という男にしがみついている自分を　哀れんでいた。

　海への恨みつらみや未練　自分への嫌悪感。

　やっと　それらから解き放たれたのは　素晴らしい愛を手に入れたから。

　でも　失った。



　疲れきっていた。
　ひとりになりたい。