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Kiss Again and Again
第18章 再 会

 「頭は痛くないですか?」
 「割れそうに いたい・・・」
 「あんなに酔っ払って。 ケガまでして」
 「シャツ アイロンかけてくれたんだ」
 「血がついて 汚れていたから」

 「殴られたんだ、バッグで。 ちょうど金具のところが当たったみたいで」
 「殴られたの? 誰に?」
 「・・・僕は もてるんだよ」

 笑った。 いきなり なに?
 「知っています」
 「別れ話をしたら 殴られた」
 驚いたけど 笑った。
 「どんな悪いことをしたの?」
 「・・・別に・・・ 悪いことなんか・・・」
 「殴られるくらい 怒らせたんでしょう?」

 こんな親しげな会話をしてはいけない、と アラームが鳴った。

 コーヒーのおかわりを取りに行くフリをして 立ちあがる。 キッチンをカウンター代わりにして飲み物くらい飲めるように最近買った 背の高い折り畳み椅子を取り出して 流しの近くに座った。 この話は お終い、と 匂わせるつもりで。

 「あれから 足の調子はどう?」
 「お陰様で どうにかなりました」
 「肺炎も 完治した?」
 「はい。 あのときは 本当にありがとうございました」

 シャツを羽織っただけでボタンを留めていない海は だらしなく 弱々しくみえる。

 「いや・・・ こちらこそ・・・」
 そのまま 上着を着た。 いっそうだらしなくみえる。 海らしくない。
 「大丈夫なの?」
 「ん? なにが?」

 なんだか 傷ついているような・・・

 「じゃあ そろそろ・・・」
 「そんな格好のまま? ちゃんとボタンを留めて シャツをしまって。 もてる男なんでしょう?」
 ネクタイを 畳みもせずポケットに入れる海に 思わず言ってしまった。

 ふっ、っと 笑うと 
 「あゆは 不思議なことを言う。 もてる男が いいとでも?」

 ふて腐れたような様子に 何が気に入らなくて・・・そんな気持ちが湧いてきた。

 「そんなことしたら ネクタイが駄目になります」
 海は ポケットからネクタイを取り出すと ゴミ箱まで行き 無造作に捨てた。
 「あ・・・ なにを・・・」

 「あゆは・・・ 憶えているよりも もっと細かった」

 立ち上がりかけたのに また椅子に座った。

 「見送りは いいから」

 ドアが閉まる音を 椅子に座ったまま聞いた。

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