この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Kiss Again and Again
第19章 恋愛事情

 せっかく甦った朗らかさを また消してしまうようなことは したくない。
 心は迷路に迷い込み 同じところを 何度も往復する。
 海を切り離そうとする道。 手を差し伸べようとする曲がり角。 引き返したり 振り向いたり 戻ったり。

 「お昼は ファミレスでもいいですか? 駐車場が広いから」

 大騒ぎをして車線変更をしたのに 最初に見たファミレスは 曲がることができず通り過ぎてしまった。 
 「ずっとこの車線を走っていれば 次のファミレスには 入れます」
 「でも 路上駐車している車が 結構いるから ずっとは無理だよ」
 「あぁぁっ ほんとだぁ。 こういう人達って 初心者への思いやりに欠けていますよね」

 それっきりファミレスはなかった。
 「海・・・ どーしよう・・・ 考えてみたら ファミレスがあるようなところじゃあないですよね。 このまま行っても きっともうないですよね」
 「僕は このまま どこまでもあゆの運転でドライブするのは大歓迎だけど。 疲れた?」

 疲れていた。 なんだか 全身にうっすら汗をかいている。

 「そろそろ 替わろうか?」

 車を寄せて停めた。 海が運転席のドアを開けてくれるのを待ち 降りて車の後部を回り 助手席のドアを開けようとして 手が止まった。 もう一度 乗るのがためらわれた。 警報を無視してはいけない。 乗らない方がいいのかもしれない。

 海が 中からドアを開けてくれたので 仕方なく 乗った。

 「乗らないつもりだったの?」

 気がついた?

 「あゆには そういうところがある。 暑い日に 泳ぎたくなったら 服を着たままプールに飛び込むような」
 「えっ・・・?」
 「そういうところがある。 こんな知らない場所でも 帰りたくなったら歩いて帰ってしまう、そんなところがある」

 マンションで待ち伏せしていたあの時 明りのついた部屋と海の靴を見て 走って逃げたときのことを言っているの?

 「そんなことはしません。 バッグだって車の中だし」
 自分で言って そうだった、と気がついた。 バッグがなければ帰れなかったのだ。


/464ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ