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Kiss Again and Again
第19章 恋愛事情

 小雨の中 走る背中を見送り 建物の前で 海が車を回してくれるのを待った。
 運転席の海の髪には 煌くように雨粒が散らばっている。 わたしは急いでタオルハンカチを出し 髪を拭いた。 驚いたように身を引き わたしの手首を掴む。
 「あっ・・・ ごめんなさい・・・ 濡れたままだと風邪をひいてしまいます」
 「僕の方こそ ごめん。 びっくりして」
 「これで拭いてください」 タオルハンカチを渡した。 

 どうしてそんなに驚いたの?

 裾野まで降りると 雨は微塵も感じられなかった。

 海は 湖へも連れて行ってくれた。 白鳥の形をした足こぎボートを眺めながら 穏やかに散策した。 日が暮れかけ 気温が下がってきた。
 「そろそろ帰ろうか。 それとも どこか行きたい所がある?」
 「いいえ。 充分秋を堪能いたしました。 ここで夕陽を見たいような気もするけど さっき ぽつっ、ってしたような。 雨が降らないうちに わたしの運転で帰りましょうか?」
 「寝てしまうのじゃあなくて? 運転するの?」
 「夜道は怖いけど まだ明るいから」
 「暗くなるのは早いよ。 じゃあガソリンを入れたら 帰ろうか。 後ろ髪を引かれるけど」

 海は 楽しんだようだった。 特に何かしたわけではないけれど 日頃の多忙さで付いた垢のようなものを洗い落とすには 丁度よかったのかもしれない。


 「あゆと過ごすと なぁんか 心が澄んでゆくような気がする」

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