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第19章 恋愛事情

　「地盤が緩くなっているのはわかったから　通行止めになっていなくても危ないな。　戻ろうか？」
　「ガソリンは　大丈夫ですか？」
　「早く入れておけばよかったんだけど　あると反対車線だったりして。　ここまでスタンドがないとは思わなかったから。　油断してたなぁ・・・」

　「とにかく　ガソリンが先決問題」
　ナビで検索して　指図される通りに進んだものの　スタンドはすでに閉まっていた。　ガソリンのランプが　しっかり点灯している。
　「信じられない！　まだ６時半だよ。　この辺の人は　８時には寝るんだろうか？」
　「きっとそうですよ。　早寝早起きが最重要事項なんですよ」

　海は笑いながら
　「あゆは　明日の予定は？」　
　「別に・・・　何も・・・」
　「泊まるしかない・・・かも」

　そうなの・・・　あら　困った。

　「せっかく　あゆと日帰り旅行に来たのに　こんなのは想定外だなぁ。　でも大丈夫だよ。　観光地なんだし」
　「観光シーズンの　土曜日でも？」
　「・・・あっ・・・」

　その不安材料に　ふたりしてスマホで宿泊施設を検索し　車の中で電話をかけた。

　「寒いかもしれないけど　エンジンきっておくね。　どうなるかわからないから　念のための用心で」

　急に静かになった車の中で　手分けして電話をかけまくった。
　「海　どこも　空いていない」
　「うん。　僕も今のところ全滅」
　「日本中の人が　紅葉を観に来ているみたいに　どこも空いていない」