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第19章 恋愛事情

　「・・・あゆ・・・　駄目だったら　ラブホに行く？」
　「えっ？　ラブホ、って？」　ぴんと　こなかった。
　「ラブホテルのこと」
　「えっ　えっ　えっ・・・」　

　行ったことない。　海は　きっと行ったことあるのよね。

　「でもね　そこもね　早く行かないと　埋まってしまうと思うよ」
　「そーなの？」
　「土曜日だから」
　「土曜日には　人気の場所なの？」　

　動揺して　馬鹿なこと言っているかも。

　「でも　でも　着替えとか・・・　お泊りセットとか　お化粧品とか・・・　何もない。　そういうところ向きの下着でもないし」
　海は　声をあげて笑った。
　「あゆは　可愛いなぁ」

　「しょうがないよ。　多分　最善の策だよ。　大丈夫。　何もしないから。　僕は　あゆともっと一緒にいられるだけで　充分満足です」

　海は　エンジンをかけ　ナビで検索し始めた。　確かに「ラブホテル」と打ち込んだ。
　「一番近いところでいい？」
　わたしに　何を聞いてるの？　駄目、って言えば　どうなるの？
　返事をしないわたしに　ちょっと笑いかけ　スタートさせた。

　まさか　こんなことになるなんて・・・