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Kiss Again and Again
第19章 恋愛事情

 海は やっぱり正しい。
 ラブホテルも『満室』の表示が出ているところばかりだった。
 「うーーーん。 無理かなぁ・・・ あっ あっ あそこ・・・」
 『空室』が見つかった。 こんな状況だけど ほっとした。 とにかく落ち着ける?
 「選べないよ。 ひと部屋しか空いていないから」

 選ぶものなの?

 ビニールテープがぶらさがったところを潜り抜け 敷地内に入った。 なんだか どきどきする。 はじめましてのラブホテル。 土曜日に人気のところ。

 こわごわと海の上着を握り締め 背中にくっついて部屋に入った。
 赤い。 全部が赤い。 敷きこんであるカーペットも壁紙も 天蓋つきのベッドも 灯っている明りも すべて赤い。

 「殺人があっても 死体がなければわからないね、きっと」
 海は 心からおかしそうに笑った。
 「こんなんじゃあ 落ち着かないでしょう。 眠れる?」

 なんだか不安で 海の背中から離れることができない。

 「明りだけでも 白く 普通にはならないの?」
 「さぁ・・・ねぇ・・・」
 「あっーーー 見てっ! お風呂がガラス張り!!!」
 「ほんとだ」
 「どーするの? どーすればいいの?」
 「さぁ・・・ どーすればいいんだろう」
 「ベッドもひとつしかない」
 「そうみたいだね」
 「どこで顔を洗うの? 歯ブラシ あるかしら?」
 「どうだろう」
 「海は よく来るの? どこもこんな風に 赤いの?」
 「僕も よく来るわけじゃあないからわからないよ」

 「海・・・ お願い・・・ 白くして。 これじゃあ なんかこわい・・・」
 「ん? どこかにスイッチがあるんじゃあ・・・ これかな?」
 海が ベッドのヘッドボード辺りに座る。 一緒に座る。 いきなり白い吹雪のような光りが 回り始めた。
 「これっ もっといや。 とめて」
 「お気に召しませんか? こうかな?」
 暗くなった。 でもまだ赤い。

 「海の顔も赤いのよ。 こわい・・・」
 「そう言われても・・・ ああ そうか。 そういうことか」
 海は立ち上がり 出入り口に戻る。 急いでついてゆく。 スイッチがあるみたいで 白っぽい明りが点いた。 またベッドまで戻ると 別なスイッチを押したようだ。 やっと部屋が 日常的になる。

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