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Kiss Again and Again
第21章 はじまりは こんな風に

「おうどんに挑戦しますから」
 立ち上がろうとすると 引き戻される。 握りこぶしを作り 海の目の前に突き出す。
 「殴る?」
 「いいよぉ。 殴って。 実は 僕 マゾ」
 笑ってしまう。 この人のこと キライじゃあない。

 さっきより 身体が熱くなってない?
 「お熱が 上がっていませんか?」
 「いいね。 このまま病人でいよう」
 「わたしの努力を無駄にさせるつもりですか?」
 「ペット用のタオルで拭いたくせに。 邪険に扱われていない?」

 昨日 わたしを抱いたりするから。


 川面に漂う真紅の紅葉が脳裏に広がる。 あれは 官能の炎。 赤い部屋で 無難な夜を過ごしたのに。 そう思っていたのは錯覚で あの夜 炎の火種を作ってしまった?

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