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Kiss Again and Again
第21章 はじまりは こんな風に

 「お目々ぱっちりで 真面目な顔して。 あのとき 何を考えていたの?」
 「多分・・・ オードリー・ヘップバーンのキスシーン」
 「ははは・・・ そうだったの? じゃあ 今は?」
 「初めてのキスシーン」
 「・・・ そう? ・・・あのとき 僕のこと好きだった?」
 海は 少しづつ身体そずらし 背中からわたしを抱くような姿勢になっている。
 「今よりは 好きだった?」
 そんなこと聞いて どーするの?

 「あゆが恩返しのつもりで こんなに優しくしてくれるのはわかっているけど・・・わかっているけど・・・ 期待してしまう」

 「僕は あの頃より もっと好きだけど」
 えっ・・・
 「前は さぁ いつも言いたいこと飲み込んでいるような顔ばかりしていたよね」
 そう・・・?
 「今は 言いたいこと どんどん言ってくれる。 多分 好きじゃあないから言える? その機関銃のような言いたい放題が もっと好きかな」
 あ・・・れ・・・?
 「そんな風に変えたのは 僕じゃあないのは残念だけど。 今のあゆの方が もっと好き」

 「海のことキライではないけど キスするほどには好きじゃあないから」
 「それでもいいかな」
 また乗り出してキスしようとする。
 「聞こえませんでしたか? 今、宣言したこと」
 「言いたい放題 大歓迎」

 元気になったら いらない自信まで取り戻した?
 昨夜のことには ふたりともふれない。 とにかく なかったことにしてしまいたい。

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