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Kiss Again and Again
第5章 はじまりのはじまり

 おかあさんは 留学経験があるせいか よくハグをしてくれる。 弱っている時 躓きそうな時 柔らかく 温かく 心地よいハグをしてくれる。 それは 慰めとなり 元気となり わたしの人生で 欠かせないものとなっている。

 立花先輩のハグは それとは全く違っていた。
 硬くて 力強くて 捉えられ 抜け出せない抱擁だった。
 男の人の硬い胸は 初めての経験だった。 身体は強張り 震えは収まらない。 先輩は 乾ききっていない髪に 頬ずりをする。 愛おしそうに 何度も 何度も 頬で髪を擦った。


 どれだけの時間 そうしていたのだろう。
 震えは収まり 呼吸も楽になっていた。

 先輩は ようやく身体を離し 顔を覗きこみながら
 「落ち着いた?」 
 こくこく、と何度も頷いた。

 額を覆っていた前髪をかきあげ 大きくため息をついた後
 「嫌われているのかと・・・」
 今度は ふるふると 首を横に振った。
 「よかった・・・」

 「お茶が 冷めてしまって」
 「アイスがおすすめみたいだから アイスでいただきます」
 さっきまで わたしを抱きしめていた美しい男が 言う。
 グラスに移し変え 氷を浮かべたものをテーブルに置くと 立花先輩は 立ち上がり もう一度 わたしを抱きしめた。 さっきより 力がこもっている。 震えはおこらなかった。

 「ほそいなぁ・・・ 折れそう・・・ 力を入れすぎると こなごなになりそう」
 それから
 「僕は ひどいことはしないから。 傷つけたり 怖がらせたり 絶対しないから」
 少し身体を引いて
 「一般的には ここで キスをする」
 その言葉に 瞬時に固まってしまう。
 「大丈夫。 今はしない」

 美しく 笑った。
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