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Kiss Again and Again
第5章 はじまりのはじまり
 立花先輩とのシャガールデートでの濃厚なキス経験で わたし自身は 習慣的な恐怖感を乗り越え 大人の女へと大きく前進したつもりでいた。
 でも 女子会お泊りで まだ女道の入り口にも立っていないのではないかと思ったりした。 恋愛、って 先が長いものかも。


 火曜日には 学生課の前で待ち合わせ デートすることが続いた。 どこかへ出かけても カフェでおしゃべりしても楽しかった。
 あれから不思議なくらい 意地悪されることはなくなった。
 そして キス以上に進むこともなかった。

  抱きしめられるのは受け入れることができるようになったのに 胸を触られると 考える間もなく 先輩の手を払いのけた。 足に手をおかれたときは 最悪で 本当に先輩を突き飛ばした。 必ず 呼吸が苦しくなり 細やかな震えがおこった。

 そんな時は 美しい顔が 哀しげに曇る。

 「僕は あゆを 傷つけたりひどいことをしたりしないから」
 必ずそう言った。

 いつか 愛想をつかされる、その思いが苦しかった。

 その日は朝から雨だった。

 「車で来たんだ。 雨だから ドライブする?」

 火曜日は いつもよりちょっとだけおしゃれをする。

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