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Kiss Again and Again
第7章 甘い生活

 お花を花瓶に挿し 切り子のロックグラスに冷やしておいた白ワインを注いだ。
 「憶えていなくても こんなご飯を用意してくれたんだ」
 「スモークサーモン 好きでしょう? 冷製パスタなんて 難易度が高かったかも。 美味しくなかったらごめんなさい」
 ピータンとお豆腐、トマトのサラダも 冷やしておいたのを出した。

 お料理をするようになって グラスやお皿なんかも 気に入ったものを見つけると いつも二人分 買った。 今日の薄いグリーンのストライプのランチョンマットも 涼やかな切り子のグラスも 最近そろえたもので サーモンの紅色とクリームチーズの白を引き立ててくれる。
 バラのお花まで添えられて とっても豪華にみえる。

 「あゆ・・・」
 ほっぺと耳にキスしてくれた。 「ありがとう」

 「あとで いっぱい ご褒美あげる」

 あれっ?
 いじめられるの?
 それとも ご褒美をもらえるの?

 こんな会話にも 真っ赤になるようなことはなくなってきた。

 「美味しい」と言ってもらえて 楽しく食事をした。
 いつも 怖いくらい幸せだった。

 わたしがお皿を洗っている間に 海はシャワーを浴びる。 わたしは 大抵 海が来る前にシャワーを済ませておくので なんとなくそういう手順になっていた。
 後ろに立った海が 耳元で囁いた。
 「今日は 何も着ないで ベッドで待ってて」

 ぞくり・・・

 記念日だから?

 何も着ない、というのに慣れるのには 時間がかかった。 なんだか落ち着かないから。 ・・・それなのに 待つの?
 女道 険しい・・・
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