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ネットのプリンス
第4章 不感症の女
アパレル会社の女社長との逢瀬から
2週間が経過した。
その後も何名かのアクセスがあったが
いずれも遠距離のため
涙を飲んでお断りしなければならなかった。
『うまくいかないものだな』
最近はネットの掲示板を開くことさえ億劫になりつつあった。
女社長と一度だけ愛し合えた事が
今となっては千載一遇といってもよいほどの幸運な出来事のような気がしてきた。
[あなたを必ず満足させます。お金も頂戴いたしません。]
このような紹介文が堅苦しいのだろうか?
それともあまりにも胡散臭さが漂っているのだろうか‥‥
明るく軽い紹介文の方がよいのだろうか?
だが、勉学にいそしみ、
ろくに女遊びをしたことがない洋介は
女心を引きつける面白い文面が思いつかなかった。
今夜も空振りだろうと、
半ばあきらめ気味にPCを起動させてみた。
洋介を罵倒する10数件のメールがあった。