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陽炎日記
第1章 ポンちゃん
 駅のホームの柱にもたれ掛かって物色する。狙い所は中高生。
 お!あの娘なんかいいかな?背は150cmあるかないかの小柄でややポッチャリ。肩口までの黒髪は素直なストレート。手には皮製の通学鞄とビニール製の校章入りのバック。
 あの制服は名門私立桜ノ宮学園の物だ。
 キリスト教系のお嬢様学校で幼等部から四年制の大学、大学院まである有名校で毎年東大合格者を多数輩出してる。
 ここの制服は小中高とセーラー服だ。初等部中等部高等部の見分け方は襟の形だ。そして中等部と高等部の学年の見分けスカーフの色で行う。二昔前までは学年クラスの書かれた名札を着けていたそうだが児童生徒の安全の為とかでこうなったそうだ。
 で、件の少女だが襟の形は中等部。スカーフの色は二年生だから14歳ってところか?
 決めた。あの娘にしよう。
 目を閉じて大きく息を吸うと静かにゆっくり細く長く吐き出す。
 吐き出す息と一緒に気配を拡散させる。
 こんな事を言うと厨二病と言われそうだが俺のは本物だ。
 ただでさえ影が薄くて呼び出し釦がない食堂ではいくら待っても店員が注文を取りに来てくれない程だが意識して気配を消せば息が掛かる程近付いても気付かれない特異体質なのだ。
 お判りだろうが窃盗はこの力をフル活用している。掏摸にしても空巣にしても痴漢にしても相手に認識されないのだからやりたい放題だ。
 もっともカメラという機械の目から逃れる事は出来ないのだが。
 さて、気配を消して人混みを掻き分けながら少女に近づく。時折背後で黄色い悲鳴が上がるがそれは行き掛けの駄賃に軽く挨拶させて貰った女の子達の口から発せられた物だ。近くに居た何人かの男が痴漢の冤罪を掛けられているが俺の知った事ではない。
 少々の真後ろに着くと身体が触れない様に注意しながら白い旋毛が見える頭頂部を見下ろしながら匂いを嗅ぐ。柑橘系の良い匂いだ。電車が到着するまでの数分の間たっぷりと匂いを楽しむ。髪だけはない。少し身を屈めて首筋に鼻を近付けるとこちらはボディーソープか?桃の様な香りが漂っている。
 おっと。鼻息が首に当たったのか少女がビクリと肩を震わせ振り向いた。その勢いで後ろ髪が俺の顔を撫でる。振り向いた少女とはキス出来そうな至近距離でニラメッコしているが残念ならが彼女には俺が見えていない。ただこの距離で息を吹き掛けるのは流石に危険だ。

 
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