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兄と妹~本能のおもむくままに~
第2章 クラスメートの伸二
「バカ!やめろよ」と
慌てふためく伸二を尻目に
美穂はセーラー服を着ると
「部屋代の精算宜しくね」と
伸二を置き去りにして店を飛び出た。
「あ~っ、気持ち悪いわ」
口の中が生臭いので、
美穂はコンビニでコーラを買って
それで何度もうがいをした。
家に帰ると義姉が「あら?学校は?」と
驚いていたが
「気分が悪くて早退した」と告げると
「まあ、そうなの?」と言ったきり、
どんな具合なの?とも
お医者さんに行かなくても大丈夫?とも
聞いてはこなかった。
美穂は部屋に閉じこもって
古いアルバムを開いてみた。
美穂が小さい頃の写真には
兄の啓司は写っていない。
啓司が写っている写真が登場するのは
美穂が12歳になってからだ。
美穂の母親は再婚で、
再婚相手の男の連れ子が啓司だった。
5歳年上の啓司はとても大人っぽく見えた。
勉強も良くできたので、
ずっと啓司が家庭教師代わりだった。
美穂が啓司に恋心を抱くのに
時間はかからなかった。