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兄と妹~本能のおもむくままに~
第7章 兄と妹の仮面を捨てる

美穂と伸二は
夕暮れの町をとぼとぼと歩いた。


伸二としてはちょっとした悪戯心だっただけに
事の重大さにようやく気づいて
どうしょうと悩んでいた。

「お姉さん、怒らせちゃったね」

セックスをしてしまったのは
他ならぬ自分なのに
悪戯がバレた子供のように
しょげかえって後悔を口にした。


美穂は何も語らずに
キッと前を見据えて歩みを止めなかった。

「で…どうする?
家を追い出されちまったからには
俺んところで同棲する?」

そう言うと、
ピタリと歩みを止めて伸二を睨みながら

「そういうのは同棲って言わないの!
あんたの家にご厄介になるのは
居候って言うのよ!」

ああそうかと納得しながら
「じゃあ、その居候でもいいじゃん、
俺ん家に来いよ
毎晩セックスできるぜ」

自分の両親が同じ屋根の下で暮らしてるのに
セックス何て出きる筈もない。

そういうところがバカなんだと美穂は思った。

「別にあんたを頼らなくても
私は生きていけるわ!」

そう言い残すと、
伸二を置き去りにして
夕闇の街を駆け抜けた。


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