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兄と妹~本能のおもむくままに~
第7章 兄と妹の仮面を捨てる
すっかり日が暮れて
部屋の中は真っ暗になっていた。
カビ臭いベッドでも
心地好いスプリングの弾力で
いつの間にかウトウトし始めた頃、
ゆっくりと襖が開いて
月明かりが真っ暗な部屋に忍び込んできた。
ギシッ…
畳を軋ませながら人影が部屋に入ってきた。
「誰?」
眠い目を擦りながら美穂は尋ねた。
「やっぱりここに居たんだね」
人影は兄の啓司だった。
「お兄ちゃん…」
啓司は美穂の言葉に何も言わずに
美穂が寝ているベッドに腰掛けた。
「私…あの人と伸二が
セックスするように仕組んだの」
伸二の話だと誘ってきたのは明美だったそうだが
隠し撮りをした後ろめたさで
美穂は自分が全て悪いのだと告白した。
「何もかも明美から打ち明けてくれたよ」
お前は悪くないんだよとばかりに
啓司は美穂の頭を優しく撫でた。
「あいつは…つまり、なんというか…
俗に言われるセックス依存症なんだよ」
「えっ?」
セックス依存症…
女子会の下ネタの話題で
いつだったか聞いた事がある。
「セックスをしないと
情緒不安定になるんだよ
まあ、俺があいつの処女を頂いて
目覚めさせてしまったんだが…」
啓司の話だと、
結婚前も少し会えない日が続くと
同僚を誘ってホテルに連れ込んだりしてたそうだ。