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早熟桃の発情期
第4章 二人三脚
今日の1時間目は国語。

国語の先生が
『巨』
と黒板に書いてから、佐知子を指名して尋ねる。
「この字で何か熟語を作れるかい?」

「えっと〜、巨人って答えるのは気に食わんし…ええ答えが思いつかん。 桃香ちゃん助けて」
佐知子が桃香の方を向いて言う。

大阪から転校してきた佐知子は、一家揃って熱烈なアンチ読売ジャイアンツだ。

「巨悪、巨大、巨星、巨獣…」
桃香がつぶやく。

優等生で文学少女の桃香には、簡単な問題だ。

「巨乳は!」
「もちろん巨乳!」
「巨乳っていいよね」
拓斗を含むお調子者もの男子たちが騒ぐ。

「アホか!」
佐知子が男子たちを一喝する。
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