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女流作家~君を愛すればこそ~
第13章 新たな愛の形

あの日、警察から解放された節子を
マイカーに乗せて
晃がとんでもないことを言い出した。

「なあ、君さえ良ければ
僕たちと一緒に暮らさないか?」

晃の提案に
何を言い出すのかと桐子も節子も目を丸くした。

「節子さんを犯罪まがいのことまでさせたのも、
桐子を奈落の底に落とすほど悲しませたのも、
全部、僕が悪いんだ…」

そうよ、ひとつ間違えれば
離婚しているところだわと思いながらも
桐子は晃の発言を待った。

「僕は罪滅ぼしに
君たち二人を愛してあげたいんだ。
もちろん僕が勃たないときは
君たち二人で愛し合うのもいい。
こんな変則的な愛の形があってもいいと思うんだ」

調子のいいことだと思いながらも
桐子も晃の案に賛成した。

「いいわ、ただし…
二人が愛し合うところを
ちゃんと私に見せること。
それならば私に異論はないわ」

「つまり…君が書く愛の描写を実演しろと?」

虫が良すぎる提案だと思っていたが
桐子が賛成してくれるのなら
すべて丸くおさまる。

「節子さんは?
それでもいいかしら?」

節子にとって
晃とも桐子とも愛し合う事ができるのだから
異論などあるわけはなかった。

「決まりね」

車中で三人は契約のキスを交わした。




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