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DOLL(愛しきラブドール)
第3章 誰も信じてくれない

職場に行っても
昨夜から今朝にかけての出来事に
自然と顔がにやけてしまう。


「昨夜はお人形を相手に楽しんだんだな」

彼女を持ち帰ったのを知ってる先輩は
昨日と同じように廃品回収の軽トラを走らせ、
ハンドルを握りながら、
どうだっんだ?良かったか?などと
執拗に聞いてきた。


「彼女、最高っす!」

俺は昨夜から今朝の出来事を詳細に先輩に話した。


「はあ?人形が生きてる?
お前、頭は大丈夫か?」

あまりの気持ち良さに幻覚でも見たんだろうと
信じてはもらえない。


「信じてもらえないなら、
今夜、うちに来てくださいよ
ちゃんと彼女を紹介しますから!」


そんなことを言い合っているうちに
車は会社の倉庫へ着いた。

軽トラの停車する音を聞き付けて
倉庫業務の紅一点である柳沢季実子が
軽トラの元へ駆け寄ってきた


「今日は回収品がなかったのね」

掃き溜めに鶴というか、
ガサツな野郎の吹き溜まりのような
倉庫業務にあって
何故か美人の季実子さんが配属されていた。

「ああ、今日は空振りだ
あ、そうだ!季実ちゃん、今夜時間取れる?
こいつ、彼女が出来たそうだから
紹介してくれるって言うから
こいつの家にお邪魔するんだけど、
あんたも来ないか?」

先輩が季実子さんにそう言うと

「西嶋くん、彼女が出来たの?」
と顔を曇らせた。

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