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DOLL(愛しきラブドール)
第1章 ラブドールを拾った
「えっ!?」
先輩も驚いていたが、やがて大声で笑い始めた。
「アハハ!よく見ろよ。人形だよ。
ダッチワイフっていうやつかな。リアルだよな」
ダッチワイフ?
俺の知っているダッチワイフってのは
口をポッカリ開けた空気人形なんだけど
そいつは、その、なんというか
めちゃくちゃリアルだった。
「綺麗だけど、いくらなんでも
そいつは店で売れないしな…
かと言ってこんなのを持って帰ったら
女房に変態扱いされるしな」
勿体ないけど、
そいつはそのままにしておこうぜと
先輩は言うが、俺をじっと見つめる瞳が
俺に何かを訴えているようで…
「これ、俺が貰ってもいいっすか?」
何だかこのまま野ざらしにしておくのが可哀想で
俺は先輩にお伺いを立てた。
「お前も物好きだなあ。
まあ、彼女もいない独身男には重宝するかもな」
持って帰れよ、黙っていてやるよと
先輩は快諾してくれた。