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DOLL(愛しきラブドール)
第5章 逃避行
翌日、俺も会社に辞表を出した。
先輩と一緒に仕事をしたくなかったからです。
俺が辞めると聞き付けて
先輩が荷物をまとめている俺のところにきました。
「驚いたよ。
季実ちゃんもお前も辞めるだなんて…」
何食わぬ顔で話す先輩にムカムカしてきました。
俺は季実子さんから預かった1万円札を3枚、
先輩に投げつけてやりました。
「あの夜のことは黙っててやる!
だからあんたもリベンジポルノなどせずに
画像を消去しろ!」
苦虫を潰した表情を浮かべて
先輩は画像を消した。
俺と季実子さんは、
その日のうちに部屋を引き払って
別の部屋を借りた。
同棲というか、今流行りの
シェアハウスってやつだ。
要は次の仕事が見つかるまでの仮住まいかな。
今までの部屋でもよかったが、
先輩にお金を突き返した時の苦々しい顔を思うと
部屋のドアに
悪質な嫌がらせのチラシでも
貼られそうに思ったからだ。
部屋に荷物を運び込む時に
季実子さんは俺の大きな段ボールに目を止めた。