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DOLL(愛しきラブドール)
第5章 逃避行
「西嶋くん…やっぱりソレを持ってきたのね…」
図星だった。
箱を開けなくても
中には貴美子が入っているのを気づかれた。
「やっぱり捨てれなくて…」
捨てれるわけなかった。
だって、貴美子は生きているんだから。
翌日から俺はハローワークに職探しに出掛けた。
季実子さんは顔の腫れが引くまで
家で休んでおくといいと部屋に残した。
ろくな求人はなかったが
とりあえず稼がなければいけなかったので
めぼしい会社を数社ピックアップした。
家に帰ると季実子さんが
「あなたのお人形…生きてるのね!」と、
目を輝かせて俺に話し始めた。
季実子さんの話によると…
俺が出掛けた後、
季実子さんは段ボール箱に納められた貴美子を
しみじみと眺めたそうだ。
「ほんと人間そっくり…
でも、こうして箱に納められていると、
まるで棺桶に入れてるみたいでイヤだわ」
季実子さんはラブドールの貴美子を
箱から出してあげた。
『裸のままというのも可哀想よね』
季実子さんは彼女にショーツを履かせてあげた。
ブラは季実子さんのFカップよりも大きいようで
仕方なくノーブラでカットソーを着せた。
ウエストは季実子さんよりも細かったので
難なくミニスカートを履かせることができた。