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DOLL(愛しきラブドール)
第8章 平穏な日々
一週間後にドールの貴美子は
西嶋の元へ帰ってきた。
すごく手荒に取り扱われたのだろうか、
髪はボサボサで手垢などで肌も黒ずんでいた。
乳首には安全ピンで刺された時の穴が開いていた。
やはりそこは生命体ではないので
自然治癒力はないようだった。
西嶋と季実子さんは以前のように
三人(二人と一体)でお風呂に入った。
季実子さんと二人がかりで綺麗に洗ってやると
ドールの貴美子の目からポロポロと涙がこぼれた。
- 怖かったです -
ドールの貴美子は震えながら
西嶋と季実子さんに抱きついてきた。
「もう大丈夫、もう、どこにもやらないから
これからも三人で仲良く暮らそう」
「あら?私もずっとここに居ていいのかしら?」
季実子さんがビックリしたように言った。
「えっと…回りくどい言い方だったけど…
今のはプロポーズのつもりです…」
まあ!…
そう一言だけ発すると
季実子さんは顔を真っ赤にしてうつむいた。
- 回りくどすぎます!
ご主人様、ちゃんと季実子さんの目を見つめて
言ってあげてください -
ドールの貴美子に尻を叩かれて
西嶋は風呂場に正座して季実子さんを見つめて
「俺と結婚してください」
とプロポーズをした。
「イヤよ」
即座に季実子さんは返答をした。