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シャイニーストッキング
第11章 絡まるストッキング5      和哉と健太
 108 若返った感じ…

「店長さん、ごちそうさまでした、これからも馬鹿息子をよろしくお願いします…」
 姉は帰り際に、そうファミレスの店長に話し、そしてわたし達は店を出たのである。

 あの挨拶以来、和哉は忙しくてキッチンに入ってしまったそうで、その後はわたし達の席には、つまりはわたしの前には現れなかったのだ。

「ふうぅん、綺麗なお姉さんってねぇ…」
 歩いての帰途中に、突然姉がそう呟いてきた。
 どうやら『綺麗な…』ていうワードに引っ掛かっているようである。

「まあ、確かに、そう云われてみればそうかも…」
 と、ボソッと呟く。

「えっ、な、なによぉ…」
「確かにアンタ、美冴はさぁ、元に戻ったというよりは、少し若返った感じがするかもねぇ…」
「うん…そうかも…」
 ここで初めて母親が口を出してきた。

「なんか、結婚前位に戻った感じもあるかもね…」
「ええっ、お母さん、それは褒め過ぎじゃないのぉ、そうしたら27、8歳位になっちゃうよぉ」
 姉が慌てて否定してくる。

「ううん、私にはそう見えるかもねぇ」
 母親は頷きながら、そう言ってきた。

「ええっ、だってぇ、美冴は今幾つだっけ」

「37歳ですけど…」
 わたしはボソッと言った。

「でしょう、お母さん、それはないわぁ…」
 なぜか姉はムキになって否定してきていたのである。
 確かに姉は最近、やや、中年太り気味な感じにはなってきていた、だからこそ、余計に、ムキになって否定をしてきているのだと思う。

「ま、でもあの店長さんも、和哉先輩さんも、優しそうでいい感じだったわねぇ…」
 と、姉は話題をスッ変えてきたのである。

「うん…」
 康ちゃんはそう頷いた。

 和哉…
 かなり大人っぽくはなっていたな…

 それはそうなのである、あの時はこの康ちゃんと同じ17歳の高校二年生であったのだ。

 そして今は22歳の大学四年生、あれから五年間が経っているのだから…
 と、この甥っ子の康ちゃんを見ながら、そう思っていたのである。

 あの時は17歳か…
 この康ちゃんと同じ高校二年生…

 わたしは果たして、今、この甥っ子である康ちゃんを他人と仮定して

 抱く事が…

 セックスする事が…

 あの時と同じ様に愛する事ができるのであろうか…

 今、冷静に康ちゃんを見ながら考えるとあり得ない。





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