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シャイニーストッキング
第11章 絡まるストッキング5      和哉と健太
 109 決心

 あの時は、不妊症からの家庭内別居問題の悩みがあって心がかなり揺れ動いていて、精神的にも少し変であったのだ。

 そして寂しかったのだ…
 そう、わたしは必死に自分に言い訳をしていたのである。

 そうよ、あの時のわたしは、普通の心境じゃなかったのよ…

 じゃなければ、あんな高校生なんて…
 帰途中に、五年前の、あの頃の心境を顧みていた。

「ふうぅ…」
 帰宅してから姉親子が帰り、わたしは自分の部屋に戻る。

 まさか、あの時間帯に和哉がいるなんて…
 なんとなくだが早い時間帯はいないと勝手に考えていてすっかり油断していたのだ。

 康ちゃんとあんなに親しかったなんて…
 そして、その事実には驚いていた。

 やはり、こうなるような必然の、何か不思議な流れがあるんだわ…

 そして手渡された和哉の携帯電話番号の記されているレシートを取り出して、眺める。

 きっと、和哉の執念なんだわ…

『東京』 『駒沢大学』
 たった二つのキーワードで、駒沢大学に入学し、あの昔と同じチェーン店のファミレスでバイトをしながらわたしを探し続けてきていた。

 和哉の執念の想いに引き寄せられたんだわ…
 世の中にはこんな人々の想いが様々に渦巻いているに違いないのだ。

 因果の流れというものがきっとあるんだわ…
 だったらこの流れに逆らわずに、乗って、流されてみようか。

 さっきの和哉を見た限り、決してストーカー的な、陰湿な想いや雰囲気は全く感じられなかった。
 多分、まだ和哉自身も、わたしと同じ様に、心の整理が、心の中の時間が止まっていないのであろうと感じられたのだ。

 だから、きっと、わたしと遭う事で心の中のあの五年前の時間を止めたいんじゃないのだろうか…

 それ位、あの五年前の事はお互いに衝撃的な出来事であり、とても忘れる事なんてそう簡単には出来やしない筈だ…

 わたしはそう考え、和哉に逢ってちゃんと話しをしようと決心をした。

 ちゃんと終わらせよう…

 大丈夫だ、さっきの和哉を見た限り、変な心配は無用であろう…

 そして、携帯電話を手元に引き寄せる。
 
 どうするか…

 今夜、それとも明日にするか…

 わたしは携帯電話番号の記されているレシートを手にし、自分の携帯電話を見つめながら、そう逡巡していた。



 


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