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シャイニーストッキング
第11章 絡まるストッキング5 和哉と健太

111 8月10日午前0時35分
「和哉くん、もう上がって大丈夫だよ」
店長が声を掛けてくる。
「あっ、はい、じゃあ上がりますね」
「うん、ありがとう、助かったよ…」
「いいえ、大丈夫ですよ」
この店は午前3時迄の営業なのだが、お客もほぼ引いたので店長の指示通りに午前0時30分で上がる事にした。
そして僕自身も早く上がりたかったのだ。
もしかしたら美冴さんから携帯電話に着信が入っているかもしれないからである。
思いがけずに今夜、予想外の早い時間帯に美冴さんと再々会を果たしてしまったのだ。
しかも美冴さんが、僕が普段から可愛がっている高校生アルバイトの康くん、山田康徳くんの家族であり、叔母さんであったという衝撃的な事実まで判明してしまったのである。
そして急遽、携帯電話番号を記したレシートを手渡したから、既に着信があるかもしれなかったのだ。
僕は急ぎ、更衣室に置いてある自分の携帯電話の着信の有無を確認する。
あ…
あった…
美冴さんからの着信があった…
ドキドキドキドキドキドキ…
急に胸が激しく昂ぶってくる。
そして携帯電話を手にする。
未登録の携帯電話番号がディスプレイに着信を知らせてくれていた。
ワン切りだ、間違いない…
美冴さんからの着信だ…
どうする、どうしようか…
折り返さなくては…
僕はビビッていた。
なぜならこの折り返し発信の電話が、今日までの自身の五年間のモヤモヤとしたわだかまり、いや、この五年間の青春の想い、そして今までの不完全燃焼の心の慟哭の決着を付けるきっかけになる筈なのであるからだ。
どうしようか…
果たして、今の、いや、さっきの美冴さんが、この僕の五年間の想いを理解してくれるのだろうか…
ストーカー的じゃないのかと想われないか…
と、急に心配な想いが湧いてきたのだ。
『わたしを五年間も探し続けていたなんて…』
『それってまるでストーカー的だわ、キモいわ…』
急にそんな心の声が、脳裏に広がっていく。
確かにある意味、僕はストーカー的と捉えられても仕方がないのである。
だって、たった二つのキーワードで大学進学を決めてしまい、このファミレスを中心に、美冴さんを探すということにこだわり、この四年間の大学生活を送ってきているのであるから…
「和哉くん、もう上がって大丈夫だよ」
店長が声を掛けてくる。
「あっ、はい、じゃあ上がりますね」
「うん、ありがとう、助かったよ…」
「いいえ、大丈夫ですよ」
この店は午前3時迄の営業なのだが、お客もほぼ引いたので店長の指示通りに午前0時30分で上がる事にした。
そして僕自身も早く上がりたかったのだ。
もしかしたら美冴さんから携帯電話に着信が入っているかもしれないからである。
思いがけずに今夜、予想外の早い時間帯に美冴さんと再々会を果たしてしまったのだ。
しかも美冴さんが、僕が普段から可愛がっている高校生アルバイトの康くん、山田康徳くんの家族であり、叔母さんであったという衝撃的な事実まで判明してしまったのである。
そして急遽、携帯電話番号を記したレシートを手渡したから、既に着信があるかもしれなかったのだ。
僕は急ぎ、更衣室に置いてある自分の携帯電話の着信の有無を確認する。
あ…
あった…
美冴さんからの着信があった…
ドキドキドキドキドキドキ…
急に胸が激しく昂ぶってくる。
そして携帯電話を手にする。
未登録の携帯電話番号がディスプレイに着信を知らせてくれていた。
ワン切りだ、間違いない…
美冴さんからの着信だ…
どうする、どうしようか…
折り返さなくては…
僕はビビッていた。
なぜならこの折り返し発信の電話が、今日までの自身の五年間のモヤモヤとしたわだかまり、いや、この五年間の青春の想い、そして今までの不完全燃焼の心の慟哭の決着を付けるきっかけになる筈なのであるからだ。
どうしようか…
果たして、今の、いや、さっきの美冴さんが、この僕の五年間の想いを理解してくれるのだろうか…
ストーカー的じゃないのかと想われないか…
と、急に心配な想いが湧いてきたのだ。
『わたしを五年間も探し続けていたなんて…』
『それってまるでストーカー的だわ、キモいわ…』
急にそんな心の声が、脳裏に広がっていく。
確かにある意味、僕はストーカー的と捉えられても仕方がないのである。
だって、たった二つのキーワードで大学進学を決めてしまい、このファミレスを中心に、美冴さんを探すということにこだわり、この四年間の大学生活を送ってきているのであるから…

