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シャイニーストッキング
第11章 絡まるストッキング5      和哉と健太
 110 健太からの電話

 ブー、ブー、ブー…

「あっ」
 和哉に電話するかどうか逡巡していたら、なんと健太から着信がきた。
 その着信に不意を突かれた感じでドキッとしてしまう。
 そしてまた、携帯電話のディスプレイに健太の名前が浮かび上がり、脳裏に笑顔の彼が浮かんでくる。

 健太…

 昨夜と今朝のセックス、そして二人で行った買い物が思い浮かぶ。

「もしもし…」
「なんとなく声が聞きたくて電話しちゃいましたぁ
あっ、寝てましたか」
「ううん、まだ起きてるよ」
「よかった」
「でももう少ししたら寝ようかなぁって…
 なんか疲れが…」
 咄嗟に嘘をつく。

 さすがに、和哉の絡みの話しをする訳にはいかないし、健太には、いや、誰にも話しはできないし、するつもりもなかった。
 そういった意味では早く、このソワソワとした心のわだかまりを無くさなくてはならない…と、さりげない会話をしながらそう思い浮かべていたのである。

「明日も逢いたいです」
「うふ、違うでしょう、ふふ」
「はいっ…
 明日もヤリたいでしたぁ…」
「よろしい、正直に言ったから、明日も行くね」
「マジっすかぁ」
「うん、マジっす…」
「じゃ、今夜ガマンして寝ますからっ」
「もおっ、何をガマンするのよぉ…」
 本当に健太は明るくて大好きだ。
 さっきまで、和哉の事で悩んでいて暗くなりがちだった気持ちが少しだけ明るくなった。

「じゃあ明日、お昼前には行くね…
 ランチでもしよう」
「あっはいっ、了解っす、シャワー浴びて待ってますから」
「もおっ先にランチだからね」
 と、わたしまで健太のノリに影響されてしまう。

「あ、はい、おやすみなさい…」
「うん、おやすみ…」

 健太、大好き…
 とは、さすがに言えなかった。

「ふうぅ…」
 健太のお陰で少し気楽になった…
 さて和哉の事はどうしようか…

 「そうだ…」
 思わず声に出してしまう。

 明日の昼間、健太に逢って気持ちを切り替えて夜に和哉に会おうか…

 そして和哉に会って、久しぶりにじっくりと話しをし、お互いの心の想いを話して、この五年間のわだかまりを無くそう…

 そしてスッキリしよう…

 わたしは携帯電話を取り出して、そして電話番号の記されているレシートを手にして、和哉にワン切り発信をする。

 多分、まだバイト中だろう…




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