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シャイニーストッキング
第11章 絡まるストッキング5 和哉と健太

113 宝くじの確率
「あの朝以来…あれ以来よね…」
「あ、は、はい…」
その美冴さんの言葉と声には
『五年間も探してくれていたのね…』
という、暖かい響きが込められている様に僕には感じられたのである。
そしてそう感じた瞬間に、重い緊張感は溶けて無くなった。
「明日の夜はバイトなの?」
「い、いえ、あ、空いています」
ドキドキしていた。
「じゃあ、明日の夜に会おうか、会って話そうか…」
「は、はい…」
僕はそんな美冴さんの言葉に感動していたのだ。
なぜならば
美冴さんも僕と同じ様に想ってくれていた…
考えてくれていたのだ…
と、感じたからである。
そして僕を、ストーカー的な、執着心的ともいえる様な思いなどとは、微塵も想ってはいないでいてくれている…
とも、感じていた。
「和哉はどこに住んでいるの?」
「え、ええと、桜新町です」
「えっ…」
僕がそう云うと、美冴さんは絶句をする。
「さ、桜新町なの…」
「あ、はい…」
「なんてこと……なの…」
えっ、まさか…
「わたしの実家も…」
えっ、そうなのか…
この駒澤大学に入学してからの約四年間、美冴さんの僅かなキーワードを元に、田舎から上京してきた最初から選んで住んだこの街が、正にドンピシャ、美冴さんと同じ街だったのか…
僕はこの事実、現実に鳥肌が立つ想いをしていたのである。
駒澤大学を地図で探し、何となく目に留まった『桜新町』という文字と、駅名…
それが、いきなりの1350万人分の1の確率の当たりを引き当てた、というのか。
「ウチは深沢中学校の近くなのよ…」
「僕は美術館の近くです…」
「えっ…」
美冴さんは再び絶句をする。
なぜならば、目と鼻の先だからであったから。
歩いても10分は掛からない、いや、5分くらいである…
「なんてことなの…」
「は、はい…」
ドキドキドキドキ…
この現実に、更にドキドキと昂ぶりが増してきていた。
やはり僕は、いや、僕達は見えない蜘蛛の糸に絡まれて…
いや、違う。
神様に弄ばれているのだ…
1350万人の1の確率の宝くじを一発で引き当てたようなモノなのである。
「ふうぅ、なんだか驚いてしまって言葉が続かないわ…」
「は、はい…」
それは僕も同じであった…
「あの朝以来…あれ以来よね…」
「あ、は、はい…」
その美冴さんの言葉と声には
『五年間も探してくれていたのね…』
という、暖かい響きが込められている様に僕には感じられたのである。
そしてそう感じた瞬間に、重い緊張感は溶けて無くなった。
「明日の夜はバイトなの?」
「い、いえ、あ、空いています」
ドキドキしていた。
「じゃあ、明日の夜に会おうか、会って話そうか…」
「は、はい…」
僕はそんな美冴さんの言葉に感動していたのだ。
なぜならば
美冴さんも僕と同じ様に想ってくれていた…
考えてくれていたのだ…
と、感じたからである。
そして僕を、ストーカー的な、執着心的ともいえる様な思いなどとは、微塵も想ってはいないでいてくれている…
とも、感じていた。
「和哉はどこに住んでいるの?」
「え、ええと、桜新町です」
「えっ…」
僕がそう云うと、美冴さんは絶句をする。
「さ、桜新町なの…」
「あ、はい…」
「なんてこと……なの…」
えっ、まさか…
「わたしの実家も…」
えっ、そうなのか…
この駒澤大学に入学してからの約四年間、美冴さんの僅かなキーワードを元に、田舎から上京してきた最初から選んで住んだこの街が、正にドンピシャ、美冴さんと同じ街だったのか…
僕はこの事実、現実に鳥肌が立つ想いをしていたのである。
駒澤大学を地図で探し、何となく目に留まった『桜新町』という文字と、駅名…
それが、いきなりの1350万人分の1の確率の当たりを引き当てた、というのか。
「ウチは深沢中学校の近くなのよ…」
「僕は美術館の近くです…」
「えっ…」
美冴さんは再び絶句をする。
なぜならば、目と鼻の先だからであったから。
歩いても10分は掛からない、いや、5分くらいである…
「なんてことなの…」
「は、はい…」
ドキドキドキドキ…
この現実に、更にドキドキと昂ぶりが増してきていた。
やはり僕は、いや、僕達は見えない蜘蛛の糸に絡まれて…
いや、違う。
神様に弄ばれているのだ…
1350万人の1の確率の宝くじを一発で引き当てたようなモノなのである。
「ふうぅ、なんだか驚いてしまって言葉が続かないわ…」
「は、はい…」
それは僕も同じであった…

