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シャイニーストッキング
第11章 絡まるストッキング5      和哉と健太
 116 明るい健太

 ピンポーン…

「おはよう健太さん」
 わたしは次の日、午前10時半過ぎに初台の健太のマンションを訪ねた。

「みさえさぁぁん…」
 Tシャツに短パン姿の健太がドアを開けて、おちゃらけた感じでわたしに抱き付いてきながら、軽くキスを求めてくる。

「ああん、もお…」
 こんな明るい健太にスッと気持ちが楽に、明るくなり、わたしはそのキスを受けるのだ。

 あっ…

 マンションの玄関の上がり框で軽く抱き合いながら、挨拶代わりのキスを軽くしたら、太腿に硬い、熱いモノの感触を感じた。
 そして唇を離し、健太の目を見る。

「えへへ…」
「もう、バカッ」
 まるで恋人同士の戯れの会話をしたのであった。

 まさかわたしがこんな会話とノリをするなんて…
 こんな自分に少し戸惑いさえ感じてしまう。

 こんなわたしもいたんだ…

 この感覚は、ときめきの感覚は初めて感じた気がする。

 この明るい健太に引き出され、導き出されたのかな…
 そう思いながらリビングのソファに座った。

「ねえ、ランチに行きましょうよ」
「あ、はい…」
 そう返事をして健太は着替える。

「あっ、ヤバ」
「えっ、どうしたの…」
「いや、あの、チャックが閉まりにくくて…」
 と、ジーンズを履き、股間のチャックを閉めながら言ってきた。

「もおっ、バカッ」
 思わず笑ってしまう。

 ああ、楽しいわ…

 この時わたしは
 
 昔の離婚した元旦那とも違う…

 あの一番愛した男のゆうじとも違う…

 そして今のわたしを目覚めさせてくれたといっても過言ではない大原本部長とも違う…
 その三人の過去の男達のいずれかとも全く違うタイプの、このわたし自身にとっての初めての明るい健太という存在感を強く感じていたのだ。

「ふう、よおやく閉まりましたよぉ」
「もう朝からバカなんだからぁ…」
「いやぁ、ホント、一度鎮めなくちゃ閉まらないかと…」
 そう笑いながら話してくる。

「もうそれはランチの後ってさぁ…
 あっ…」
「あぁ、今、ちゃんと言いましたからねぇ」

「えっ、あ、もお…」
 わたしはすっかりと健太のペースにハマってしまっていたのだ。

 でも心の奥から楽しいし、明るいワクワク感が湧き起こってきていて、すっかりと心が軽くなってきているのを実感していたのである…





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