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シャイニーストッキング
第11章 絡まるストッキング5      和哉と健太
 117 大好き…

「えっ、あ、もお…」
 すっかりと健太のペースにハマってしまっていた。

 やはり健太を選んで、付き合うことにしてよかった、正解だ…

 この壊れかけて修復しているわたしの不安定な自律神経のリハビリに、この健太の明るさと軽さのノリがちょうど良いと思われる。

 一緒にいて楽しいし、楽だし、気を遣わないで済む…

 この健太が大好きだ…

 そしてわたし達はランチへと出掛けた。


 わたしは薄いコットン生地のレモンイエローのワンピース。
 健太は白いTシャツに淡い薄い生地のダンガリーシャツを羽織り、ジーンズ姿のラフな典型的な青年的な装いであった。

 そんなわたしは、昨日の昼間に一緒に買い物に出掛け、そして着替え用にと洋服を何点か買った時に、どうしてもわたしの37歳と健太の28歳という9歳の歳の差を意識してしまい、できるだけ、若く、健太に釣り合う洋服を…と、意識してしまっていたのである。

 全然、若く見えますよ…

 そう健太は云ってはくれるし、確かに37歳という実年齢よりかは若く見えるとは思っているのであるが、心に感じる歳の差がそうは簡単には解消できないのであったのだ。

 普段の会社通勤のスーツ姿の方が気楽だわ…

 このラフな、カジュアル的な健太の姿を見てわたしはそう感じ、思っていたのであった。

「何を食べますか…」
 そんな健太の声に、ふと、我に返る。

「あっ、そうね、健太さんは何が食べたいの」
 そう訊いた瞬間に愚問をしてしまったと思ったのだ。

「それはもちろん美冴さんが食べたいっす…」
「もおっ、絶対にそう云うと思ったぁ」

 まるでバカカップルの会話である…

「ちゃんと答えてよ」
「あ、すいません、何にしようかなぁ…
 昨夜は美冴さんが作ってくれた肉ジャガ食べたからぁ…
 あっ、洋食がいいなっ
 そうだ、ハンバーグがいいかも…」
「うん、じゃあハンバーグにしよう」
「あっ、近くに洋食屋さんありますよ、そこにしましょう」
 わたし達、バカカップルはその洋食屋に向かう。

 バカカップル…
 だけどわたしは楽しくて、幸せを感じていたのである。

 健太が大好きだ…

 早く和哉問題をスッキリと解消し、この健太をしっかりと愛したい…

 健太のおかげで心がウキウキ、ワクワクとしてきてくる。

 健太が大好きだ…




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