この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャイニーストッキング
第2章 黒いストッキングの女1
52 黒い女の名前
「じゃあまた明日、このタクシーチケット使いなさい」
「ありがとう、また明日、楽しかった…」
夕暮れの19時近く、後ろ髪を引かれる想いではあるがわたし達は銀座で買い物を済ませ、穏やかな陽気のせいもありブラブラと散策を兼ねて築地まで歩き、市場場外のお店で軽く夕食を摂った後に、タクシーを拾って別々に帰途へと向かうことにした。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうものだ、そしてお互いの自宅マンションは逆方向なのでこうして最後の帰途の別れは別々となるのだ。
少し寂しい想いもあるが同じ職場なのだから、ある意味こうしたことが気持ちの切り替えとなってわたしはいいのじゃないかと思っていた。
彼もそうだろうが、一緒に住もうとは考えてはいない、今はまだ…
そして慰謝料代わりに貰った羽田近くのマンションに帰り、日常的な家事諸々を済ませベッドに入ったのは間もなく零時になろうという時間であった。
昨日、今日と内面的に色々なことがあり過ぎた、そして精神的にも疲れてしまった。
しかし新たな自分の想い
彼を心から愛している…
と、いうことは認識できた。
今日は思いがけずに買い物デートできて楽しかった、でも、一昨日、昨日の二日間はなんだか精神的に疲れちゃったな…
寝酒の赤ワインを飲みながらベッドの中でこんなことを想い浮かべていた。
そしてふと想うのだ、これから先、更に黒い彼女を意識してしまうのだろうか、いや、きっと意識してしまうだろう…と。
わたしの中にあの黒い彼女の存在感が確立されてしまったみたいだわ…
しかし、わたしの中のもう一人の自分がこうも囁いてくる。
大丈夫、負けるはずがない、それに彼はただ見ているだけなんだし、これからも何も起きるはずがないんだから…
そうなのだ、現実的に考えれば考える程に、完全に嫉妬心からくるただの取り越し苦労といえるのだ。
大丈夫だ、彼もわたしをあんなに愛してくれている、だからあのスケベなフェチな目さえ我慢すればいいんだから
明日からは黒い彼女の存在感を無視し、自分を信じ、彼を愛していくんだ…
そうだ、もう黒い女と呼ぶのは止めにしよう。
彼女の名前はなんだっけ
そう、確か
蒼井…美冴だ…
第2章黒いストッキングの女 完
「じゃあまた明日、このタクシーチケット使いなさい」
「ありがとう、また明日、楽しかった…」
夕暮れの19時近く、後ろ髪を引かれる想いではあるがわたし達は銀座で買い物を済ませ、穏やかな陽気のせいもありブラブラと散策を兼ねて築地まで歩き、市場場外のお店で軽く夕食を摂った後に、タクシーを拾って別々に帰途へと向かうことにした。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうものだ、そしてお互いの自宅マンションは逆方向なのでこうして最後の帰途の別れは別々となるのだ。
少し寂しい想いもあるが同じ職場なのだから、ある意味こうしたことが気持ちの切り替えとなってわたしはいいのじゃないかと思っていた。
彼もそうだろうが、一緒に住もうとは考えてはいない、今はまだ…
そして慰謝料代わりに貰った羽田近くのマンションに帰り、日常的な家事諸々を済ませベッドに入ったのは間もなく零時になろうという時間であった。
昨日、今日と内面的に色々なことがあり過ぎた、そして精神的にも疲れてしまった。
しかし新たな自分の想い
彼を心から愛している…
と、いうことは認識できた。
今日は思いがけずに買い物デートできて楽しかった、でも、一昨日、昨日の二日間はなんだか精神的に疲れちゃったな…
寝酒の赤ワインを飲みながらベッドの中でこんなことを想い浮かべていた。
そしてふと想うのだ、これから先、更に黒い彼女を意識してしまうのだろうか、いや、きっと意識してしまうだろう…と。
わたしの中にあの黒い彼女の存在感が確立されてしまったみたいだわ…
しかし、わたしの中のもう一人の自分がこうも囁いてくる。
大丈夫、負けるはずがない、それに彼はただ見ているだけなんだし、これからも何も起きるはずがないんだから…
そうなのだ、現実的に考えれば考える程に、完全に嫉妬心からくるただの取り越し苦労といえるのだ。
大丈夫だ、彼もわたしをあんなに愛してくれている、だからあのスケベなフェチな目さえ我慢すればいいんだから
明日からは黒い彼女の存在感を無視し、自分を信じ、彼を愛していくんだ…
そうだ、もう黒い女と呼ぶのは止めにしよう。
彼女の名前はなんだっけ
そう、確か
蒼井…美冴だ…
第2章黒いストッキングの女 完