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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 3 午後5時55分

 わたしは健太宅からタクシーで帰宅をし、シャワーを浴びてドレッサーの前に座り、そして鏡を見つめる。

 何を着ていこうかしら…

 まるで久しぶりの男との再会のデート前の様な昂ぶりがあった。 
 そして意外にも、例の自律神経の昂ぶりや騒めきは起きてはこない。

 きっと、昼間に健太に抱かれたからだわ…
 心が違う意味で落ち着いていた。

 目一杯にお洒落をして、最高に着飾って、そして和哉にちゃんとお別れの言葉を伝えよう…

 そして和哉の五年間の不惑の想いを、心の時計を止めてあげるのだ…
 そう想いながらクローゼットの扉を開ける。

 大原浩一本部長に抱かれて『黒い女』を卒業した次の日に、たくさん代官山で服を買った。
 それらの服を一つ一つ手に取り選んでいく。

 待ち合わせはコンビニではあるが、近くのイタリアンレストランに行くつもりであった。
 
 やはり、それに見合う服が良いわよね…

 あ、これが良いかも…

 藍色に近い紫の襟元が大きくV字に裏表がカットされている、ややゆったりとしたコットン生地の柔らかなラインのドレッシーなノースリーブのワンピースを選んだ。
 そして薄手のナイロン製の水色のストールを羽織る。

 よし、これで良いかな…

 ティファニーのオープンハートのネックレス、お揃いのピアス、そしてカルティエの3連リングを指にする。
 
 あ、そうだ…

 昔、ゆうじに貰ったティファニーのアンクレットとバングルもしよう…
 ゆうじがあの大震災に巻き込まれた朝に切れてしまったアンクレットを修理に出して直しておいたのだ。

 アンクレットを脚に付ける。

『俺の脚の証だから…』

 あの時のゆうじの言葉が想い返ってくる。

 ああ、でも、今は冷静だ…
 ゆうじの事を想い返しても心の騒つきは静かであった。

 もう乗り越えられたのかもしれない…

 ゆうじの事を決して忘れたわけではない、だが、わたしは確実に乗り越えられて前に進めていたのだ。



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