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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 127 ゆかりの言葉

 えっ、わたしは…

 わたしはもしかしたら、和哉とヤリたいのか…

 だからこの昂ぶりの騒めきなのか…

 ドキドキドキドキ…

 あの和哉の優しい、そして憧憬の目を見て、感じて、五年前の想いに心が還ってしまったから、あの頃の様に欲情の昂ぶりをしているのか…

 まさか…

『ヤラせてあげちゃえばいいのよ…』

 ゆかりさんの言葉がぐるぐると脳裏を巡ってきていた。

 結局、『今更…』とか、何だかんだと能書きを言っているのは…

 実は、わたし自身なのか、いや、わたし自身なのだ…

 昔の男が五年間も思いを貯め込み、追い続けていてくれての再会に、男の心理、生理的にもヤリたくないはずがないし、いや、ヤリたいに決まっているし、それを当然、内心分かっているくせに…
 わたしは『今更…』等と、綺麗事ばかりを並べ、気取って格好付けているだけなのだ。

 そしてその『今更…』という心理は、
 実は、
 わたし自身もまたヤリたい…
 抱かれたい…
 という、メスの本能的な想いの鏡返し的な、そんな裏腹の心理の現れなのではないのか…
 と、はっきりと、今、分かったのである。

『だから不惑に揺れ動くのよ…』

『やっちゃえば、ヤラせちゃえば落ち着くのよ…』

 と、ゆかりさんの昨夜の電話での言葉が、インスパイアされた想いが、ぐるぐると脳裏を駆け巡っていた。

 そうか…

 そうだよね…

 五年前の、あの二週間は、ほぼ毎日の様にヤリまくっていたではないか…

 あの時は真剣に愛していたではないか…

 今も和哉は変わらない、いや、変わってはいない…

 大好きだった昔の和哉そのままである…

 そして今も、大好きだ…と、確認した。

『ヤラせてあげちゃえばいいのよ…』

 ううん、違うわ…

 わたしが…

 わたし自身が…

 ヤリたいのだ…

 ようやく…


 ようやく、本心がわかったのである…


 今夜、和哉とヤって、お互いの心にケジメを付け、そしてリセットをし、新たな二人の関係をリスタートする…

 ヤラせちゃえば…

 いや、ヤッちゃえば…

 こんなモヤモヤなんか、どこかに吹き飛んでスッキリしちゃうのではないか…

 和哉にヤラせる、いや、ヤッちゃう…

 わたしはそう決めたのだ。




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