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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 70 ゆかりとの電話(15)

 青春云々なんての綺麗ごとでは無いのだ、いやらしいオスの、男のサガ、そして女を常に欲し、求めるという本能なのだ…
 所詮、青春云々なんて言い訳なのである。

 そしてゆかりに対しての罪悪感が、彼女と話せば話すほどに、こうして必死に嘘をついて繕っていけばいくほどに、心が激しく揺らぎ、罪悪感がどんどんと積み重なっていくのだ…

 かといって、ゆかりという存在感は、私の心の中では唯一無二の大切な一番の存在なのである、正に愛していると間違いなくいえるし、今、最も大切な、かげがえのない存在であり、存在感なのである…
 だが、そんな思いとは矛盾して、こうして、美冴、律子、そして新たにきよっぺという女達が一人、また一人と私の心に住み着いていくのであった。

 一つ一つと、罪悪感がどんどんと積み重なっていく…

 そして段々と高くなっていき…

 それは………

 そう想っているとゆかりは話しを続けてくる。

『…でも、理由が理由ですから大丈夫です、15日の夜まで我慢します…ね』
 と、おそらく彼女は、精一杯の我慢と虚勢を張ったそんな言葉を言ってきたのだ。

 その言葉がまた新たな私の罪悪感を生み、そしてまた一つ高く積み重なっていく…

「ああ、うん…すまないな」
 私はそう謝るしかなかった。

 昨夜までは本当にゆかりに逢いたかったのだ…

 抱きたかったのだ…

 愛したかったのだ…

 いや、今でも本当にそうは思っている…

 だが…

 だけど、一昨夜の電話の時ほどの昂ぶる思いではないのだ…

 それは…

 新たに心の中に増えた、きよっぺ、という存在感のせいなのである。

 今は…

 今は、きよっぺという元カノという存在を、あの昔に、ヤり損ねた青春の心残りを完全に打ち消す為にも、今夜じっくりと愛するんだ、とことんヤるんだ…
 と、いう思い、願望が心の底で沸々とたぎっているからなのだと思うのだ。

『でも…あれですか』
「うん?、あれって?」
『お父様の10回忌のご法事の予定は13日ですよね?…
 そして今日は11日ですし…』

「うん…」
 何が言いたいんだ?…

『今夜も、明日の12日もアレですねぇ… 
 そうかぁ、丸々暇になっちゃう訳なのかぁ…』
 
「えっ…」

 そのゆかりの言葉に、ドキッとしてしまう…







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