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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 86 絶望の『望(のぞみ)』②

「ノン…か」

「はい、ノンですよ、こうちゃん…」

 ここにもいた…
 ここにも元カノがいたのである。


 ノン…

 のぞみ…

 望…

 山下 望…
 そして、自称『絶望の望(のぞみ)』

「わたしの望はさぁ、希望の望じゃなくてさぁ、絶望の望(のぞみ)なのよねぇ…」
 22年前、ノンは私が高校二年生の時の彼女であり、その時、彼女が自分でそう言っていた。

 自称
 絶望の望(のぞみ)山下望…

 私の一つ下、今は39歳になるのか…
 
 身長は150センチちょい位で当時は
痩せて小さくて可愛いかったのだが、美容師という職業のせいか今もほとんど変わらない…

 但し、当時ののぞみ、ノンは、
 絶望…という割には明るく、ヤンキーチックな可愛い性格であったのだ。
 いや、あの当時の10代はヤンキーが多い時代でもあった。 
 そして、当時17歳だった私にとっては、彼女、ノンの存在は、自分自身の絶望の中での唯一の
『希望の望(のぞみ)』であったのである…



「やだわぁ、20年振りになるのかなぁ…」
 20年振りの再会である。

「そうか、そんなに経つかぁ、でも、よく分かったなぁ」

「ええー、だってぇ、こうちゃん、全然変わってないじゃん、すぐに判ったわ…
 それに髪型も、あの頃のままだし…」
 と、明るい笑顔でノンはカットしながら、そう話してくる。

「そ、そうかぁ、髪型、変わってなかったっけぇ」
 少し恥ずかしい。

 そしてドキドキしていた…

 それは、また偶然、連続して再び、こうして違う元カノと再会してしまったからであったからである。

 この流れは何なんだ…

 こんな偶然があるのか…

 確かに以前迄の帰省時は、幼馴染みの宮本まさやんの居酒屋くらいしか行かなかったし、そこで、どちらかといえば宮本まさやんが声を掛けやすい関係の、昔の友達を呼んだりしていただけであり、こうして街中を歩いたりした事はほとんどなかった。
 だから地元に残っている昔の友人、知人とは、そうそう再会や、出会う機会がなかったといえたのだ。

 だが…

 こうも続けて、元カノ、と再会するとは…

 それも、過去の青春の思い出の中での、重要な存在感の元カノとの連続的な再会をするとは…

 偶然にしては…

 いや、やはり、女難なのか…


 



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