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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 92 希望の『望(のぞみ)』②

 私は本当にヒロさんを尊敬していた…

 しかし当時は、いくら卒業したとはいえ野球部の二つ年上の先輩と直接こうして話しをするなんて事は滅多に無い位の厳しい縦社会であったから、こうして会話を交わせる事にドキドキと昂ぶっていたのであった。

 そしてまた、本当に今でも尊敬していたから、ヒロさんと交わすこの言葉が、その言葉の一つ一つが、まるで乾いた心に染み込んでくるかの如くに響いてきていたのである。

「でも…
 なんか、グレてるのもそろそろ飽きたって感じがしてくるけど?」
 そう言ってきたのであった。

「あっ、は、はい…」
 ドキンとした、それはそんな現状のモヤモヤとした自分の想いの核心をズバリと突かれた感じがしたからである。

「俺はさ、お前の事は中学一年から見てきている訳だしさ…
 なんといっても、俺もさ、中学時代にはあの『本田きよみ』の事が好きだったから、余計に気にしてお前の事見ていたんだよ…
 そして同じ様に怪我により再起不能になった、だからさ…」
 と、当時の自分にとって涙が出る様な言葉を掛けてくれたのである。

「あ…はい」
 そう返事するのが精一杯であった。

「あっ、そうだ、大原、お前もサーフィンやれよ」
「えっ」
「サーフィンはいいぞぉ、世界観が変わるぞぉ…
 それに流行りだし、もうヤンキーは流行らないよ」
「はぁ…、サーフィンか…」
「ああ、それにだ、サーフィンはすごく難しいんだよ、だからこそやり甲斐が余計に湧いてくるはずだよ…
 お前なら分かるよなぁ…」
 と、そう言ってきたのである。

 お前には分かるよなぁ…

 よく分かるはずだよ…

 そう言ってきた。




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