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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 107 きよっぺ ⑬

 おそらく、自分自身のこの40年間の人生の中での経験上、私のモノはごく普通な、平均な、人並みサイズだと自覚していたのだが…

「あ…そうか…」
 きよっぺは何か想い浮かんだようであった。

「何だよ…」
「あ、う、ううん」
 そう首を振る。

「何だよ、言ってみなよ」
「うん…でもなぁ…」
 なんとなく言い辛そうだ…

「なに?、言ってみなよ」
「うん、怒らないでね…」
「ああ…」

「あの…ね…
 前の彼の、ううん、元旦那のがさぁ…」
 目を逸らしながら話してくる。

「多分、元旦那のがさぁ…
 ち、小さい、小さかったからなのかなぁ…」
 と、小さい声で呟くように言ってきたのだ。

「元旦那の…が…」
「うん…
 間違いなく今のこっぺより小さい、小さかった…の」
「そ、そうなんだ…」
「うん、ひとまわり細くて少し短いかなぁ」

「そ、そうなんだ…」
 その答えは私にとっては意外であったのだが、反面、妙に理解もできた。
 つまりは、私の前に抱かれていた男のモノと比較する事は、普通の事であると思われるからである。
 ただ、それ位の事でこんな反応をするきよっぺに対して、なんとなくだが違和感が拭えないでいた。
 それに、今、訊いた範囲ではそこまで元旦那のモノが小さいとは思えず、逆にああなるほど、と、思ってしまっていたのである。

 それは…

「うーん、そのサイズだと確かに昔の、あの頃のオレと同じようなサイズかも…」
 という事であるのだ。

「でしょう…だからなんかさっき、こっぺのがすごぉく大きく感じちゃってさぁ」

「なるほど…」
 だが、まだ違和感は拭えていない…

「昨夜はさぁ、実は、もうわたしテンパっちゃっててさぁ、全然気付かなかったのよ」
「テンパっちゃってってぇ…大袈裟な」
「ううんマジ、実はチョー緊張…」
「そんな感じに見えなかったけどなぁ」

「本当よぉ、心臓バクバクだったんだからぁ」
 大きな瞳を輝かせながらそう言ってきたのだ。

 ウソじゃないみたいだが…
 なんとなく、42歳になる熟女の言葉とは思えなかった。

 もっと何かある…

 何かありそうだ…

 そして私はきよっぺを抱き寄せ、再び唇を合わせる。

「あ…んん…」
 声が震えてくる。

 もしかして…

「もしかして…」

 私は、唇を離して呟いた…





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