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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
  211 言葉の裏の意味

「は、あ、ふ、こ、こっぺぇ…」

「き、きよっぺぇ…」

 お互いに名前を囁き合いながら、夢中に抱き合いながら、そして心を震わせながらキスをしていく。

『せっかく、あんなにすごく、感じられるようになったのに…』

 そしてキスをしながら、きよっぺのさっきの言葉がグルグルと脳裏を巡っていた。

『あんなにすごく感じられる…』
 いや、問題はそんなセックスの事だけの様な単純なモノではない、ないはずなのだ…

 その単純な言葉の裏には、もっと、もっと深い、きよっぺの私に対する想いや愛情が含まれているのだ…

 そんな想いの証拠が『偽りの飾り…』と、いう彼女の過去のトラウマを払拭したかの様なこのリビングルームの新しく買ったローソファーセットであり、テーブルの上の一輪挿しの花の飾りでもあり、そしてこの室内に居るのにも関わらずに私好みのストッキングを穿いている…
 という事等が、表していると思われるのである。

 私とこうして想いがあの頃の様に戻り、通い合い、そしてその想いがきよっぺの心の中に棲み着いていた『虚無感』というモノを消し去った現れであり…

 リビングルームを飾ったり、一輪挿しの花を飾るという行為があの当時の心の中の『苦悩』『心痛』『不惑』『恐れ』
等々が無くなった安心感であり…

 そして大好きな男の性嗜好の好みのストッキングを穿くという事で愛を愛情を表している…

 私は、それらの離婚に至る10年間の今迄に眠っていた、いや、隠し、しまい込んでいた、そんなきよっぺの想いや、情念という愛情を目覚めさせてしまったのであろう…
 そう思うのだ。


 だから…
『せっかく、あんなにすごく、感じられるようになったのに…』
 そんな言葉通りの単純なモノではないのだと思う。
 そしてその今夜の突然の生理という事実に、この先いつ逢えるのか…
 そんな『愁い、憂い』等々の想いが込められていると感じるのである。






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