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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 213 絶望の事実

「う、うん、そうなの…
 でもね、直ぐにね、そんな事で電話するなんてってさぁ…
 それに、そんなくだらない事でせっかくお友達と会ってるところに水を差しちゃあまずいと思って…の、ワン切りになっちゃったのよ」
 と、更に恥ずかしそうに続けて言ってきたのである。

「あ…そう…か…」

 慌ててなんて…

 くだらないなんて…

 せっかくお友達となんて…

 水を差すなんて…

 私は、そのきよっぺの言葉を聞いてザワザワと罪悪感が湧いてきてしまったのだ。

 なぜならば、その生理という事は…
 それは…
 彼女にとっては、今夜セックスができない…
 抱かれない…
 愛してもらえない…
 と、いう絶望の現実の事実なのだと思われるからである。

 そして彼女のその事象、事実は、私にとっては、ついさっきまで新たにノンを抱いてきた私には、なんて事のない、いや、却ってきよっぺを抱かなくていいという口実にもなる一つの事柄に過ぎないのだ。

 だが…
 だが、しかし…
 きよっぺにとってはそんな簡単な事柄ではないのである。

 この私に対して再燃してしまったであろう愛情の、このお盆帰省中という僅かな、ほんの数日間という期間限定内で確実に手に入れようとしていた私からの愛と快感という期待の想いの絶望を意味する事象と思われるのだ。

 だから慌ててしまい、あのワンコールに繫がった…

 そんな事を、いや、そんなきよっぺの心情の落胆さを、そして絶望感を想像し、思い、考えると、ザワザワとした罪悪感が湧き起こってきてしまう。



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