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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり
1 1997年8月8日金曜日午前9時
吸収合併の記者会見は、本社の一番大きな会議室で行われる予定であった。
そしてわたしは武石健太を伴ってその記者会見場に訪れた。
なぜ健太を連れてきたか…
それは今朝一番に大原浩一本部長からの電話で
『もしかしたらこの新部署に、山崎専務のスパイ、つまりは内通者がいるかもしれない…』
と、そんな疑惑が蒼井美冴さんの主任辞令により浮かび上がったのだがその人物がこの武石健太であるという事が分かり、そしてそれが山崎専務の甥っ子であったという単純な理由なわけで、決して健太が
『スパイ、内通者』等の類では全くないという事実が分かったのだ…
と、いう連絡を貰ったのである。
そしてわたしがすかさず、じゃあ、せっかくだから健太に山崎専務との橋渡しをして貰おう…
という想いを浮かべ、そして同伴させたのである。
そして健太と二人で本社に到着して、その会見会見場である会議室へ入ると、本日の吸収合併の発表が昨今のバブル崩壊の様々な弊害の時期の中での久しぶりに明るい経済的な話題という事もあり、かなり世間からの注目を集めている様であるせいか、相当沢山の記者達や報道関係者等々が集まってきていた。
「うわぁ、ゆかり部長すごいですねぇ」
と、その会見場の騒めきを見て、健太はやや興奮気味にそんな感嘆の声を上げてくる。
「そうねぇ、ホントに凄いわぁ…」
わたしもこうした生の記者会見を見るのは初めてであり、そしてましてやその会見の壇上に、わたしの愛しい男である大原浩一本部長が臨席しているせいもあって、少し興奮を覚えていた。
そして、すぐに記者会見が始まる。
もちろん正面壇上の真ん中には山崎専務が鎮座し、その右隣には本社では本部長であり、吸収合併した保険会社では執行役員となる大原浩一が座り、そして山崎専務の左隣には吸収合併された保険会社の社長と専務の計が四人が座っていた。
「それでは定刻となりましたので、記者会見を始めます」
司会者がそうマイクを通して告げてくる。
バシャッ、バシャッ、バシャッ…
すると、その司会者の声を合図に会場内では沢山のフラッシュが煌めき、カメラのシャッター音が鳴り響く。
私は内心、この初めて見る生の記者会見に興奮を覚えていた…
吸収合併の記者会見は、本社の一番大きな会議室で行われる予定であった。
そしてわたしは武石健太を伴ってその記者会見場に訪れた。
なぜ健太を連れてきたか…
それは今朝一番に大原浩一本部長からの電話で
『もしかしたらこの新部署に、山崎専務のスパイ、つまりは内通者がいるかもしれない…』
と、そんな疑惑が蒼井美冴さんの主任辞令により浮かび上がったのだがその人物がこの武石健太であるという事が分かり、そしてそれが山崎専務の甥っ子であったという単純な理由なわけで、決して健太が
『スパイ、内通者』等の類では全くないという事実が分かったのだ…
と、いう連絡を貰ったのである。
そしてわたしがすかさず、じゃあ、せっかくだから健太に山崎専務との橋渡しをして貰おう…
という想いを浮かべ、そして同伴させたのである。
そして健太と二人で本社に到着して、その会見会見場である会議室へ入ると、本日の吸収合併の発表が昨今のバブル崩壊の様々な弊害の時期の中での久しぶりに明るい経済的な話題という事もあり、かなり世間からの注目を集めている様であるせいか、相当沢山の記者達や報道関係者等々が集まってきていた。
「うわぁ、ゆかり部長すごいですねぇ」
と、その会見場の騒めきを見て、健太はやや興奮気味にそんな感嘆の声を上げてくる。
「そうねぇ、ホントに凄いわぁ…」
わたしもこうした生の記者会見を見るのは初めてであり、そしてましてやその会見の壇上に、わたしの愛しい男である大原浩一本部長が臨席しているせいもあって、少し興奮を覚えていた。
そして、すぐに記者会見が始まる。
もちろん正面壇上の真ん中には山崎専務が鎮座し、その右隣には本社では本部長であり、吸収合併した保険会社では執行役員となる大原浩一が座り、そして山崎専務の左隣には吸収合併された保険会社の社長と専務の計が四人が座っていた。
「それでは定刻となりましたので、記者会見を始めます」
司会者がそうマイクを通して告げてくる。
バシャッ、バシャッ、バシャッ…
すると、その司会者の声を合図に会場内では沢山のフラッシュが煌めき、カメラのシャッター音が鳴り響く。
私は内心、この初めて見る生の記者会見に興奮を覚えていた…