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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり

20 激白…④
「えー、そうなんだぁ」
この伊藤さんは本当に、それらの出来事を知らなかったみたいであった。
「うん、だから、もう少し我慢しろってさぁ…」
どうやら越前屋さんは伊藤さんの退職を必死に止めていたみたいであるのだ。
そしてそんなわたしの想いが伊藤さんに伝わったのか、彼女はまた再び話しをし始めてきたのである。
「わたしはそんなパクリ盗用にすっかり頭にきちゃって、そんな派閥なんたらなんて全く知らずに、総合企画部の部長に抗議をしたんです…」
…だけど、その部長はそんな真中常務派閥の重鎮の人物で、当然のようにそんな抗議は軽くあしらわれ、挙げ句には、わたし達のプレゼンまでもが全く無かった事にされ、そしてなんと…
『伊藤くんは秘書検定を持っているから…』と、秘書課の空きの穴埋めにって臨時出向というカタチで秘書課に廻されたんです。
それは先の総合企画部部長の抗議に対する完全なる粛清、報復的な見せしめの人事異動ですよね、で、わたしはすっかり苛立ち、怒り、そして絶望して即刻退職しようと思ったんです…
「だけどぉ、わたしが、あっちんを思い留めたんです」
すっかり越前屋さんは伊藤さんを
『あっちん』と呼び始めていた、そしてそれは彼女の苛立ちの高ぶりともいえたのだ。
そしてわたしはそんな二人の話しを聞けば訊くほどに苛立ち、イライラ、ムカムカ、そして怒りを感じてきていたのである。
「わたしもぉ、わたしなりにぃ色々と社内のパワーバランス的な派閥争い等を調べていたらぁ、どうやら社長、専務派閥対常務派閥の争いという事が分かったので、秘かに専務派閥に近付こうと画策を始めて…」
そう、越前屋さんらしからぬ意外な話しをしてきたのだ。
「はい、だから越前屋に…」
…『わたしが何とかするから今は我慢しろっ』って説得されて、退職を思い留まり、秘書課に出向したんです。
そうしたらその秘書課にも一人わたしと似た境遇の資産運用部から飛ばされた方がいて、その彼女にこの社内の男尊女卑の社風等の話しを訊き
『優秀な女性ほど虐げられる…』と、絶望しました。
だが、越前屋を信じて我慢して、確か三カ月位経った頃です。
人事部の部長が『相談に乗る』と、近付いてきたんです。
「え、人事部部長って、確か…」
わたしは呟いた。
そう、その人事部部長も常務派なのだ…
「えー、そうなんだぁ」
この伊藤さんは本当に、それらの出来事を知らなかったみたいであった。
「うん、だから、もう少し我慢しろってさぁ…」
どうやら越前屋さんは伊藤さんの退職を必死に止めていたみたいであるのだ。
そしてそんなわたしの想いが伊藤さんに伝わったのか、彼女はまた再び話しをし始めてきたのである。
「わたしはそんなパクリ盗用にすっかり頭にきちゃって、そんな派閥なんたらなんて全く知らずに、総合企画部の部長に抗議をしたんです…」
…だけど、その部長はそんな真中常務派閥の重鎮の人物で、当然のようにそんな抗議は軽くあしらわれ、挙げ句には、わたし達のプレゼンまでもが全く無かった事にされ、そしてなんと…
『伊藤くんは秘書検定を持っているから…』と、秘書課の空きの穴埋めにって臨時出向というカタチで秘書課に廻されたんです。
それは先の総合企画部部長の抗議に対する完全なる粛清、報復的な見せしめの人事異動ですよね、で、わたしはすっかり苛立ち、怒り、そして絶望して即刻退職しようと思ったんです…
「だけどぉ、わたしが、あっちんを思い留めたんです」
すっかり越前屋さんは伊藤さんを
『あっちん』と呼び始めていた、そしてそれは彼女の苛立ちの高ぶりともいえたのだ。
そしてわたしはそんな二人の話しを聞けば訊くほどに苛立ち、イライラ、ムカムカ、そして怒りを感じてきていたのである。
「わたしもぉ、わたしなりにぃ色々と社内のパワーバランス的な派閥争い等を調べていたらぁ、どうやら社長、専務派閥対常務派閥の争いという事が分かったので、秘かに専務派閥に近付こうと画策を始めて…」
そう、越前屋さんらしからぬ意外な話しをしてきたのだ。
「はい、だから越前屋に…」
…『わたしが何とかするから今は我慢しろっ』って説得されて、退職を思い留まり、秘書課に出向したんです。
そうしたらその秘書課にも一人わたしと似た境遇の資産運用部から飛ばされた方がいて、その彼女にこの社内の男尊女卑の社風等の話しを訊き
『優秀な女性ほど虐げられる…』と、絶望しました。
だが、越前屋を信じて我慢して、確か三カ月位経った頃です。
人事部の部長が『相談に乗る』と、近付いてきたんです。
「え、人事部部長って、確か…」
わたしは呟いた。
そう、その人事部部長も常務派なのだ…

