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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり
 31 狼狽え…

「それにねぇ、すごく大人なんだけどねぇ…
 かわいいところもあるのよぉ…」
 すると越前屋さんは更に目をキラキラと輝かせて、そう言ってきたのだ。

「えっ、かわいいって?」
 わたしは内心昂ぶりながら、その越前屋さんの意外な言葉に反応してしまう。

「あぁ、あのですねぇ、実はぁ…
 あんな大人なのにぃ、あの
『ダック』柄のネクタイをしてきたことがあるんですよぉ…」
 そう言ってきたのだ。

「えっ『ダック』って、あの夢の国のキャラクターの?」
 伊藤さんがすかさず訊いてくる。

 あ、あれか、越前屋さんも知ってるんだ…

「そぉなのよぉ…
 あんな大人なのにぃ、わたしそれで更にズキュンと心を撃ち抜かれてしまったのよぉ…」
 越前屋さんはまるで夢見がちな目をしながらそう言った。

「ああ、あの…」
 そしてわたしは思わずそう呟く。

「え、ゆかり室長も知ってるんですかぁ」

「あ、う、うん、た、たまたまね…」
 慌てて誤魔化す。

「可愛いですよねぇ…
 あのさり気ないお洒落…
 わたしぃ、『ダック』大好きなんで、堪らなかったんですぅ…」
 完全に越前屋さんは恋する乙女の目になっていた。

「確かに、ちょっと気になるかも…」
 伊藤さんまでもがそう言ってくる。

 あの『ダック』柄のネクタイは、おそらく銀座の女の悪戯なんだが…
 と、喉元まで言葉が上がってきていたのだが、さすがにこの二人にはそんなこては言えない。
 そして、越前屋さんに対しては全く感じないのだが、なんとなくこの伊藤さんのその『ちょっと気になるかも…』と、いう言葉には、一瞬、ザワザワとしてしまったのである。

 えっ、なに、まさか…
 
 えっ…

 わたしは内心、少し狼狽えてしまう。

 そんな…

 この伊藤さんが美人だから?…

 これは、以前、蒼井美冴さんに対して持った、そしてわたしの人生の中での初めて持った感情である『嫉妬』という想いに似ていたのである。

 わたしの心が、この伊藤さんの美しさに対して、あの時の美冴さんと同じ様に警戒をしているということなのか…

 わたしは昂ぶりからこんな感情に移り変わってしまったことに、思わず愕然としてしまっていた。

 確かにこの伊藤敦子さんは、越前屋さんとは真逆的な、女性としての魅力に溢れている…





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