この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
1 カフェバー波道(Road to wave)
「いらっしゃいませ……あ…」
私が渋谷駅からタクシーで乗り付けた店
『カフェバー波道(Road to wave)』
世田谷区太子堂近辺にあるカフェバーである。
「あ…、美冴さん…でスよね」
「うん…こんにちは…」
「あ、久しぶりっス、なんか雰囲気変わっちゃって…わかんなかったっス」
「お久しぶり…」
「どうぞ、いつもの席へ」
「いつもの席…か…」
「え…と、3年振りっスか…ね」
「うん…」
「そうかぁ、あれから3年スかぁ…」
「うん、正確には2年半かな…」
私はいつもの席、3年振りのいつもの、カウンターの向かって一番右端の壁際の席に座った。
ここは「波道」という名前の通り、サーフスタイルのカフェバーなのだが、いわゆるチャラチャラサーファーではなく本格的玄人サーファー向けの店である。
黒に近い焦げ茶色基調の壁板とフローリングの、比較的シックで落ち着いた内装のバーなのだ。
客層も、サーファーだけではなく、周りには大学が点在しているのだが、外観の落ち着いたデザインのせいなのかなぜかうるさい大学生はほとんど来ず、比較的年齢層の高い落ち着いた客層が多い店であった。
そして私には遡ること5年前からの約2年間、毎日のように通った店でもあったのだ。
「アレでいいスか…」
私は黙って頷く。
3年振りなのに、私のいつものカクテルを覚えてくれていた。
こんな小さな事でも、壊れかけていた私の心を繋ぎ止めてくれる。
胸の騒めきがこの懐かしさも相まって、少しずつ落ち着いてきていた。
そしてこの彼がこのカフェバーのオーナーの新井のりゆき、ノリくん、確か34歳。
先祖代々からのこの辺りの大地主の次男坊で、親はこの近辺で賃貸マンションや、貸しビル等をいくつも所有しており、簡単にいえばお坊ちゃまなのだが気さくで人懐こい性格をしていて人望もある。
そしてこのカフェバーだけではなく、すぐ近くではサーフショップも経営しているのだ。
お金には全然余裕があるし、次男坊であるから、彼には全体的にのんびりとした雰囲気があった。
そして金持ち特有のお高くとまるようなことは全くないので、周りにはいつも仲間がいるのだ。
そんな中に、ゆうじ、という私の愛した男もいた…
「いらっしゃいませ……あ…」
私が渋谷駅からタクシーで乗り付けた店
『カフェバー波道(Road to wave)』
世田谷区太子堂近辺にあるカフェバーである。
「あ…、美冴さん…でスよね」
「うん…こんにちは…」
「あ、久しぶりっス、なんか雰囲気変わっちゃって…わかんなかったっス」
「お久しぶり…」
「どうぞ、いつもの席へ」
「いつもの席…か…」
「え…と、3年振りっスか…ね」
「うん…」
「そうかぁ、あれから3年スかぁ…」
「うん、正確には2年半かな…」
私はいつもの席、3年振りのいつもの、カウンターの向かって一番右端の壁際の席に座った。
ここは「波道」という名前の通り、サーフスタイルのカフェバーなのだが、いわゆるチャラチャラサーファーではなく本格的玄人サーファー向けの店である。
黒に近い焦げ茶色基調の壁板とフローリングの、比較的シックで落ち着いた内装のバーなのだ。
客層も、サーファーだけではなく、周りには大学が点在しているのだが、外観の落ち着いたデザインのせいなのかなぜかうるさい大学生はほとんど来ず、比較的年齢層の高い落ち着いた客層が多い店であった。
そして私には遡ること5年前からの約2年間、毎日のように通った店でもあったのだ。
「アレでいいスか…」
私は黙って頷く。
3年振りなのに、私のいつものカクテルを覚えてくれていた。
こんな小さな事でも、壊れかけていた私の心を繋ぎ止めてくれる。
胸の騒めきがこの懐かしさも相まって、少しずつ落ち着いてきていた。
そしてこの彼がこのカフェバーのオーナーの新井のりゆき、ノリくん、確か34歳。
先祖代々からのこの辺りの大地主の次男坊で、親はこの近辺で賃貸マンションや、貸しビル等をいくつも所有しており、簡単にいえばお坊ちゃまなのだが気さくで人懐こい性格をしていて人望もある。
そしてこのカフェバーだけではなく、すぐ近くではサーフショップも経営しているのだ。
お金には全然余裕があるし、次男坊であるから、彼には全体的にのんびりとした雰囲気があった。
そして金持ち特有のお高くとまるようなことは全くないので、周りにはいつも仲間がいるのだ。
そんな中に、ゆうじ、という私の愛した男もいた…