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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり
 102 黒歴史…(37)

 だが、理由はどうあれ、そんな心の中の誓いがわたしにはあったのであり、まだ、たまたま、それを守っていたタイミングであった。

 そして蓮はそんなタイミングに、彼自身の心の焦りから『コーク』つまり
『コカイン』という麻薬使用の誘いをわたしにしてきたのである。

 蓮のカミングアウトにシラケ気味で惰性的な時期のせいもあったのかもしれない…
 わたしはそんな蓮の禁断の誘いに、すっかり心が醒めてしまったのだ。

 コカインを誘ってくるなんて…

 やっぱりわたしをただのヤク中くらいにしか思っていないんだわ…

 まあ、それは仕方がない事かもしれないけど…

 ああ、でも、蓮とはもう終わりでもいいかな…

 そんな想いが湧いてきていた。

 そしてもう一つの要因…

 それは蓮との女装プレイの飽きであったのだ。

 初めてプレイした夜は劇的に感じ、そして昂ぶったのだが…
 その女装の奥に隠されていた想いの重さに辟易し、そして、やはりわたしはサディスティック的な嗜好はさほど強くなかったという事実でもあった。

 あの夜以降、蓮はいつも母親であり大女優である三山圭子になり切り、そして最後は自分自身が心の中で蓮としてママの圭子を犯していくという『近親相姦』的な憧憬の想いで昂ぶり果てるという、毎回の様な、いわゆる自分よがりのセックスに、わたしという存在感は存在しなかったのだ…
 そしてそれを実感した瞬間に、完全に蓮との関係、つまり蓮とのセックスには飽きてしまったのである。
 
 ただ唯一、わたしと蓮の二人の関係を繋いでいたのは『高級大麻樹脂』のみ…
 で、あり、それが徐々にわたしの心に惰性的な飽きという思いと感情を生んできていたのだ。

 既にそんな、それらの二つの要因が常にわたしの心の中にあり…
 その夏の終わりの頃には、そんな惰性的な感情と想いで蓮の元へと通っていたのであった。

 そして…

 終止符を決定付ける出来事が起きたのである…







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