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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり
 120 大原本部長との電話(13)

「もしもし…」
『ゆかりです、大丈夫ですか?』
「ああ、うん…」
『あっ…』

 え、なに…

 なんとなくだが、愛しい男の声が暗く聞こえたのだ。
 そしてわたしのワクワク感の昂ぶりは一瞬にして、動揺と嫌な予感に襲われ、不惑な想いが湧いてきたのである。
 
 え、なに、まさか…

「す、すまない、実は…」
 すると愛しい男、大原浩一本部長が、電話の向こうから暗い声で呟いてきたのだ。

 その彼の言葉は、全く予想外の話しをしてきたのである…

 …それは、今日の午前中に実家の母親が心筋梗塞で倒れ、緊急入院をした…
 と、いうのである。

『ええっ、それって大変じゃないですかっ』
 わたしの不惑な想いは一瞬にして驚きに変わった。

「ああ、うん、ま、そうなんだが、決して危篤とかの重症ではないから…」
 彼はそう言ってくるのだが、わたしには心筋梗塞というイメージは死に至る病のイメージしかないのだ…
 だからわたしは慌ててしまう。
 
『ダメですよっ、急いで帰らないとっ』
 と、思わずそう、一気に強く言ったのである。

「あ、いや、そうだよな…」
 だが、彼は意外にもわたし程は慌ててはいないようであった。

 だが、どうしてもわたしには心筋梗塞イコール『死』というモノがイメージされてしまうのだ…


『ハイヤーなんだから、軽井沢から直行しちゃえば良かったのにっ』
 そして咄嗟にそう浮かび、思わず口にしたのだ。

「あっ…そうか」
 今は高速道路網の整備もかなり進んでいる、だから、軽井沢からならば彼の栃木県の実家に帰るのも、東京に戻るのも、ほぼ時間的には変わらない筈なのである。

「ま、色々と準備もあるしさ、新幹線なら30分だから」
 だが、彼はそう言ってきた。

『そうなんですか…』

「うん、危篤じゃないし、意識もちゃんとあるからさ」

『ならいいですけど…』
 彼は意外とのんびりしている、どうやら本当に大した事がないのかもしれない。

 だが、心筋梗塞なのだ、決して楽観はできない病気なのである…


「うん、心配してくれてありがとう」
 すると彼はそう言ってくれる。


『いえそんな、当たり前ですから…』

 そうなのである…
 わたしは彼の彼女なのだ、愛しい男の母親が病気で倒れた…
 心配するのが当たり前、普通なのだ。




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