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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり
 147 美冴さんとの電話(5)

「ずうっとわたしの軌跡を追ってきてくれていて…」
 決して不快な思いは全くしていないと伝えていく。

 でも本当に不快では無かった…から。

『へぇ、軌跡をねぇ…』
 美冴さんはそう呟いてきた。
 そしてそのわたしの軌跡…って言葉に少し疑問に感じたのか、そう呟いたようであった。
 
 まさか、バレないわよね…
 さすがに今夜はそれが健太の事とバレたくはなかった。

 健太の事だってバレないように気をつけなければ…

『軌跡って事は、やっぱりその元カレと会ったんですか?…』
 美冴さんは食い付く様に訊いてくる。
 
 きっと、元カレ、という事に反応したのだろう…

「うん…、会った…わ…」
 なぜか…
 嘘が言えない感じがしてきていた。


『あのぉ、ひとつ訊いてもいいですか?』
 すると美冴さんは、わたしに訊いてきたのである。

「うん、なに?」

『あのぉ、その元カレって、やっぱりヤリたがりましたぁ?…』

 あ、そういう事なのか…

 わたしはその言葉で美冴さんの反応の意味がわかり、そして少しワクワクしてきていた。

 なぜならば、こんな話し…
 つまりこんな女子バナトーク的な感じこそ、わたしが求めていたからである。

 美冴さんとわたしは女同士であるのだ、そして女友達になったのだ…
 わたしは友達とこんな話しがしたかったのだ。

「えっ…」
 わたしは少し驚いたフリの返事をする。
 そして…
「…うん…そ、そうヤリたがったわ…」
 わざと戸惑い気味にそう答えた。

『やっぱり…』
 すると美冴さんはそう呟きながら、今夜のその元カレとの流れを更に細かくわたしに話してきたのであった。

「ふうぅん、そうなんだぁ…」

 男なんてみんなヤリたがるんだ…
 ある意味、ヤリたがる事、ヤリたいという思いが男達のパワーの源なんだとも思っている。


 すると美冴さんは…
『あ、はい、そうなんです…
 その彼の部屋に行ってしまったわたしが一番悪いし、間抜けなんですが、やっぱり今更って感じで…
 そして偶然の元カレの今の彼女からの携帯電話の着信で間一髪逃げてきたんです…』
 と、まで話してくれたのである。

「なるほどねぇ…
 でも美冴さんは、今後、その元カレとは二度と会わないつもりなの?…」

 そこでわたしは疑問を問うたのだ…




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