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シャイニーストッキング
第15章 絡まるストッキング9     美冴とゆかり
 219 朝食

「ねぇ、今日は?…」
 ゆかりさんが訊いてくる。

「え…
 もちろん…何の予定も無いですよ…」
 わたしはにこやかに応えた。
「あぁ、よかったぁ」
 すると満面に笑みを浮かべてそう呟いた。
 
 その感じが本当にかわいい…

「じゃあさぁ、とりあえず朝ご飯でも食べながらさぁ…」
「うん、相談しましょうね」
 わたしも、笑顔でそう応え、そしてわたし達は軽く化粧をし、身仕度を整え、ホテル内の朝食バイキングのレストランへと向かう。

「ふうぅ、なんかさぁ、バイキングってぇ取りすぎちゃってね…」
 そう苦笑いをしながら運んできたトレイを指差す。

「ホントそうですよね、普段は朝ご飯なんてほぼ食べないし…」

「そうなのよぉ…」
 そんな会話をしながら朝食を食べる。

「今日、どうしましょうね」
 なんかそう話してくるゆかりさんはワクワクした顔である。

「わたしさぁ、こうやってお友達と出掛けた事ないからさぁ、なんか、ただワクワクしちゃってぇ…」

「え、わたしもそうですよ…
 ゆかりさんといるだけでワクワクしちゃってますよ」

「えっ…」
 わたしがそう言うと、急に恥ずかしそうな顔をしてくる…

 その顔は本当にかわいい顔なのだ…

 昨日、いや、この数日前から本当にゆかりさんの表情や、様子が明るく、そして柔らかくなった気がする、いや、しているのである。

 これは、多分、彼の、大原本部長の愛情のせい、おかげなのであろう…

「あ、そういえば、短パンとかの忘れモノがうちにあるけど…」

「あっ…」
 
 短パンとかの忘れモノ…
 わたしはその言葉に一昨夜のゆかりさん宅での逢瀬の、そして昨夜の、融ろける様なビアンの昂ぶりの快感を脳裏に一気に浮かべてしまい、ドキドキしてきてしまう。

「……とりあえず…」
 するとゆかりさんはそんなわたしの心の揺らぎを感じ取ったのだろう…
 じっとわたしを見つめ…
「じゃあ、とりあえずウチにくる?」
 そう、囁いてきたのである。

「あ…う、うん、はい…」

 わたしには、その囁きが…

 すごく甘い響きの囁きに聞こえたのだ。

 そして…

 朝から、また、再び、ドキドキと…
 胸の高鳴りを感じてきてしまっていた。

 また、二人きり…

 ドキドキ…

 ウズウズ…
 
 そして…

 微かな疼きも感じてしまう…



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